オフィス賃料は再上昇、訪日外客数増はホテル市場に加え地価を牽引-不動産クォータリー・レビュー2016年第1四半期 基礎研REPORT(冊子版) 2016年6月号 | ニッセイ基礎研究所
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オフィス賃料は再上昇、訪日外客数増はホテル市場に加え地価を牽引-不動産クォータリー・レビュー2016年第1四半期
基礎研REPORT(冊子版) 2016年6月号
加藤 えり子
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1――経済動向と住宅市場
2016年1-3月の首都圏新築マンション新規販売戸数は金融危機後の低迷で供給が少なかった2009年と同程度の低水準となっており[図表2]、過去1年(2015年度)の供給戸数は前年比14.4%の減少となった。一方で、戸あたり価格、m2坪単価は4年度連続して上昇、都心での富裕層向けの高額物件供給が価格水準を底上げしている。実需層に手の届く新築マンションの供給が少ないことも影響し、中古マンションの需要が高まり価格も顕著に上昇してきている。東日本不動産流通機構(レインズ)によれば、2016年第1四半期の首都圏中古マンションの成約件数は前年同期比+3.4%、同3月の平均m2単価は47.78万円(前年同月比+5.5%)であった[図表3]。
2――地価動向
3――不動産サブセクターの動向
図表7に、東京および地方主要都市のプライム商業エリアの路面店舗賃料の推移を示した。銀座は2015年上期までは上昇が続いたが、2015年下期は反転し、前回ピークの2008年の水準までは届かなかった。地方主要都市では、心斎橋(大阪)、天神(福岡)などが上昇基調にある。
訪日外客数の過去12ヶ月合計値の各月推移を見ると[図表8]、2016年1月以降は各月とも年間2,000万人を超えている。円安が顕著になってきた2015年に入って以降、増加のペースが上がっていることが分かる。それにともない、ホテル客室稼働率は好調が続いている。2016年に入り、全国のホテル客室稼働率は2015年とほぼ同水準を維持、2016年3月は、前年同月比+0.7ポイントの82.6%であった[図表9]。力強い需要を背景に、既存ホテルへの投資が活発化するとともに、新規開発計画も相次いでいる。2015年度の宿泊業用建築物の着工床面積は、前年比40%増、着工棟数は34%増となった[図表10]。
シービーアールイー(CBRE)によると、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の16年第1四半期空室率は前期から1.4ポイント上昇し8.3%となり、2010年第4四半期以来の高い水準となった。需要は底堅いが、当該四半期における12万坪の新規供給を吸収しきれなかった。近畿圏の空室率は0.1ポイント低下の3.4%となった[図表11]。しかし、年内に7万坪超の新規供給予定があり、空室率は上昇すると予想される。
4――J-REIT(不動産投信)
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(2016年06月07日「基礎研マンスリー」)
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