2015年01月14日

12月マネー統計~マネーの波及は貸出次第

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

・貸出動向: 伸び率は小幅に鈍化
・マネタリーベース: 年末の見通しを達成
・マネーストック: マネーの伸びは一服

■要旨

12月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.7%(前月は2.8%)と小幅に縮小した。比較対象である13年12月に大口貸出があった反動が出たとのこと。また、12月は前年比での円安進行ペースがやや鈍っており、このことも伸び率縮小に働いたようだ。

日銀による資金供給量を示すマネタリーベースの12月平均残高は267.4兆円、前年比伸び率は38.2%(前月は36.7%)と前月からやや拡大した。日銀の金融政策運営との関係で最も注目度が高かった12月末のマネタリーベース残高は275.9兆円となり、日銀が自ら示していた14年末見通し(275兆円)を達成した。

マネーストック統計によると、市中通貨量を示す12月のM2、M3の前年比伸び率はともに前月から横ばいであった。M2は4ヵ月ぶり、M3は3ヵ月ぶりに伸び率の拡大が止まったことになるが、法人税の支払いや貸出の伸び鈍化が影響したとみられる。
14年の銀行貸出の前年比伸び率は2.5%(1月)で始まり、2.7%(12月)で終了と、伸び悩みが目立つ一年であった。マネーストックM2の伸び率も4.2%(1月)から3.5%(12月)と鈍化している。10月末の追加緩和によって、マネタリーベースの増加ペースは既に上がっている。今年は「マネタリーベース→貸出→マネーストック」というマネーの波及が活発化するか、貸出の動向が焦点となる。

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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