2014年11月04日

【アジア新興経済レビュー】韓台経済は改善するも、牽引役に違い

経済研究部 研究員   斉藤 誠

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  1. (実体経済)
    10月は韓国・台湾で7-9月期GDPが発表された。それぞれ経済成長率は改善したものの、回復の牽引役は異なる。韓国は政府による景気対策を背景に政府支出と住宅投資が伸びたものの、輸出は減少した。一方、台湾は半導体などのスマホ向け部品の輸出が好調で、民間投資にも波及する好循環が生まれている。
  2. (インフレ率)
    9月のインフレ率は、国際原油価格の下落を背景にインドネシアを除く国・地域で低下した。インドネシアでは、食品価格の上昇によって再び4%台まで拡大したほか、政府が11月実施を検討する燃料補助金の削減に注目が集まっている。
  3. (金融政策)
    10月は、韓国・インドネシア・フィリピンで金融政策決定会合が開かれた。韓国では内需不振による景気の下振れリスクを回避するため、また物価の上昇圧力も弱まっているため、政策金利を引き下げた(政策金利2.25%→2.00%)。その他の国では、政策金利が据え置かれた。
  4. (10月の注目ニュース)
    インドネシアでは、20日にジョコ・ウィドド氏が大統領に就任した。金融市場では「補助金燃料の値上げ」への期待が高まっている一方で、ねじれ状態の国会運営への懸念が深まっている。インドでは、軽油の価格統制撤廃(18日)、地方議会選挙で与党勝利(19日)を受けて、新政権下の改革期待が高まり、株式相場が上昇した。
  5. (11月の主要指標)
    11月は、マレーシア・タイ・インドネシア・フィリピン・インドで2014年7-9月期のGDPが公表される。特にタイはクーデター後の経済の立ち直りが遅れており、実体経済の回復の進捗レベルは注目点と言える。また、インドは新政権による改革期待先行で株価上昇が続いているだけに、期待外れの結果とならないかに注目したい。

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経済研究部   研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
アジア・新興国経済

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