2014年09月09日

8月マネー統計~貸出の伸び悩み感がやや強まる

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

・貸出動向: 伸び悩み感がやや強まる
・マネタリーベース: まだ問題なし
・マネーストック: リスク選好は途絶えていない

■要旨

8月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.3%と前月から横ばい推移であった。残高は2003年3月以来の高水準を更新しており、貸出の増勢自体は続いている。ただし、前月差では、ピークである13年12月の10.2兆円増に対して、8月は9.4兆円増に縮小しており、7月からもほぼ横ばいに留まるなど、貸出の伸び悩み感がやや強まっている。

8月のマネタリーベース平残は242.3兆円と、前月から▲0.8兆円減少した。減少は18ヵ月ぶりとなる。また、月末残高も7月末からの増加額がわずか0.3兆円に留まっている。ただし、8月も7月同様、国債等の発行超過が多額にのぼり、資金が吸収された影響が大きい。実際、季節調整済みのマネタリーベース平残の月間増加額は6.8兆円と、日銀の年末見通し達成ペースを上回っている。

マネーストック統計によると、市中通貨量を示す8月のM2、M3の前年比伸び率はともに縮小。縮小は7ヵ月連続となる。一方、M3に投信や外債といったリスク性資産等を含めた広義流動性の伸び率は僅かながら拡大した。リスク選好は途絶えていない。今後、マネーの伸びが本格的な最加速に至るかどうかは、貸出による信用創造活発化がカギになるだろう。

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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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