2014年09月03日

魅力ある企業年金制度に向けた地道な改良が重要

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厚生年金基金、DB、企業型DCの3つの企業年金制度への加入者数は平成24年度末時点の単純合計で1,665万人である。複数の制度に加入しているケースを勘案すると、実際に企業年金制度に加入する従業員数は単純合計よりも数百万人は少なく、厚生年金加入者数3,472万人の40%程度に留まるのが実態であろう。

この割合は、向こう数年の間に一段と低下する可能性もある。いわゆる“厚生年金基金見直し法”が今年度から施行され、厚生年金基金の解散が相次ぐ可能性があるためだ。もはや企業年金制度は、少なくとも民間サラリーマンのカバー率という点では、公的年金の補完機能を十分に備えていると言えないのである。

こうした状況に対し、新たな企業年金制度の導入についての検討が政府主導で進められている。雇用の多様化への対応という面で、制度の選択肢を広げる検討は重要だ。しかし、既存の企業年金制度の使い勝手を良くするという観点も欠かせない。本年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」には、企業年金制度の受給権保護の強化など、企業年金運営サイドからの要望が盛り込まれている。こうした規制改革を着実に進めることも、公的年金を補完する機能を強化する上で必要である。DCの柔軟性を高めることも含め、地味ではあるが、着実な制度の改良が望まれる。

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