2014年06月06日

金融市場の動き(6月号)-“冷夏は恐るるに足らず”夏の気温と株価

経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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  1. (株価) この夏はエルニーニョ現象の影響による冷夏が予想されており、景気への影響も危惧されている。一方、夏の気温と株価の関係を過去30年について調べてみると、冷夏時の株価上昇確率は80%に達し、平年並みや猛暑を大きく上回った。もちろん、株価に対しては、気温よりも内外経済情勢や政治などの影響力が大きいが、「冷夏→消費減少→景気悪化→株価下落」というシナリオが過去にあまり実現しなかったことは事実。冷夏による景気の落ち込みはあるものの、一時的に留まるという点も影響している可能性がある。冷夏による夏場の株価下落を過度に警戒する必要はないと考えられる。むしろ、この夏の株価を考える上では、米国の金利動向と日本の経済政策への警戒が必要だ。最近の株価上昇は米長期金利の回復がサポートした。さらに直近の日経平均株価は米長期金利の動きから推計される水準を650円上回っており、日本の成長戦略やGPIFの運用変更への期待が織り込まれた可能性が高い。もし米長期金利の低迷や日本の経済政策への失望が起きる事態となれば、株式市場は別の意味で冷夏となりかねない。
  2. (日米欧金融政策) 5月の金融政策は、日米欧ともに現状維持となったが、6月に入ってECBが追加緩和を決定。利下げのほか、マイナス金利の導入、長期資金供給など複数の緩和策を並べたうえで、今後の追加緩和にも含みを持たせる形に。
  3. (金融市場の動き) 5月は円高ドル安、ユーロ安となり、本邦長期金利は低下した。今後は米景気回復期待等を背景としたドル円の強含みを予想する。一方、ユーロドル、長期金利については横ばい圏内の動きを予想している。
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経済研究部   シニアエコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融、日本経済

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