2014年05月28日

【3月米住宅価格】住宅価格の上昇圧力が再び強まる兆しも

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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【要旨】

結果の概要:予想を上回る伸びを記録

5月27日にS&Pが発表した3月のケース・シラー住宅価格指数(20都市総合、以下ケース・シラー指数)は、季節調整済の前月比で+1.2%、原系列の前年同月比で+12.4%となった。市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)である前月比+0.7%、前年同月比+11.8%を上回る結果であった。2月(改定値)の前月比+0.8%、前年同月比+12.9%と比べて、前年同月比ベースで見たときの伸び率が鈍化しているが、3月の前月比伸び率は年率換算で+15.9%に達していることから、このペースの上昇が続くと、前年同月比の伸び率も再加速することが見込まれる。
一方、同じ5月27日に連邦住宅金融局(FHFA)が発表した3月の住宅価格指数(HPI)は前月比+0.7%と2月改定値(同+0.6%)よりやや加速、市場予想の+0.5%も上回った。前年同月比では+6.5%となり2月(同+6.9%)から伸び率が鈍化しているが、前月比での伸び率が年率換算で+9.2%と高い点はケース・シラー指数と同様である(図表1・2)。
住宅価格の上昇率は予想以上に早く、水準もケース・シラー指数で見て、ピーク時の8割強、より平均的な購入者を対象にしたHPIはピーク時の9割以上に達する。住宅価格の上昇は景気回復の証左であり、資産効果による個人消費の加速への期待につながるが、住宅販売や住宅着工などに対してはマイナスの要因となり、住宅市場への懸念材料でもある。


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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

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