2014年04月11日

GDP統計は消費増税後の景気判断に耐えうるのか

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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  1. 景気は、消費税率引き上げ後に駆け込み需要の反動からいったん大きく落ち込んだ後、反動の影響が和らぐ夏場にかけて持ち直すという見方がコンセンサスとなっている。
  2. 民間エコノミストの2014年度の成長率見通しは、前回消費税率が引き上げられた1997年度の実績値を参考にしているものと思われるが、この数字はリアルタイムで見ていたものとは大きく異なることに注意が必要だ。
  3. 現在、1997年度の実質GDP成長率は0.1%となっているが、最初に実績値が発表された時には▲0.7%のマイナス成長だった。四半期毎の成長率も駆け込み需要が本格化した1997年1-3月期の成長率が当初の公表値から大幅に下方修正されている一方、その反動が顕在化した1997年4-6月期は逆に大幅に上方修正されている。
  4. 日本のGDP統計は頻繁かつ大幅に改定されるという特徴がある。現行の推計方法が用いられるようになった2002年4-6月期以降の四半期データを用いて1次速報から最新値までの実質GDPの改定幅を計算すると、平均で1.88%(前期比年率)となる。
  5. 2015年10月からの消費税率の再引き上げ(8%→10%)を判断する上では2014年7-9月期の成長率が重要な指標となることは間違いないが、GDP統計に頼りすぎることなく、様々な経済指標から総合的な景気判断をすることが求められる。



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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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