2014年02月20日

貿易統計14年1月~貿易赤字の拡大に歯止めがかからず

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・貿易赤字が急増
・アジア新興国向けの輸出が低調
・13年度末までは経常赤字が続く公算

■要旨

財務省が2月20日に公表した貿易統計によると、14年1月の貿易収支は▲27,900億円の赤字となった。輸出が前年比9.5%(12月:同15.3%)と7ヵ月ぶりに前年比で一桁の伸びにとどまる一方、輸入が前年比25.0%(12月:同24.7%)と4ヵ月連続で前年比20%台の高い伸びとなったことから、貿易赤字は前年比70.8%の急増となった。
季節調整済の貿易収支は▲18,188億円の赤字となり、12月の▲12,588億円から赤字幅が大きく拡大した。輸出が前月比▲3.5%(12月:同2.3%)と大きく落ち込む一方、輸入が前月比4.7%(12月:同▲0.2%)の高い伸びとなった。貿易赤字(季節調整済・年率換算値)、は、13年4-6月期の▲8.7兆円から、7-9月期が▲11.8兆円、10-12月期が▲15.3兆円と拡大を続けた後、14年1月は▲21.8兆円となった。13年度末までは、消費税率引き上げ前の駆け込み需要を主因として輸入の高い伸びが続くため、極めて高水準の貿易赤字が続くことが見込まれる。
1月の輸出数量指数を地域別に見ると、米国向けが前年比6.3%(12月:同▲4.6%)、EU向けが前年比5.5%(12月:同5.4%)、アジア向けが前年比▲2.0%(12月:同2.2%)となった。米国向け、EU向けの輸出は同国・地域の景気持ち直しを反映し比較的底堅い動きを続けている。一方、アジア向けの輸出は中国向けが持ち直しているものの、中国以外の新興国向けが景気低迷や政治的混乱の影響から低調な動きが続いているため、全体としては弱めの動きとなっている。
一方、1月の輸入数量指数(季節調整値)は前月比1.3%となった。消費税率引上げ前の駆け込み需要もあって国内需要が堅調に推移していることが輸入の増加につながっている。
貿易赤字の拡大を主因として経常収支(季節調整値)は13年9月から12月まで4ヵ月連続の赤字となっているが、1月の貿易赤字(季節調整値)が大きく拡大したため、1月の経常収支の赤字幅は13年12月の▲1,967億円(季節調整値)からさらに拡大する可能性が高い。ただし、足もとの赤字は駆け込み需要による輸入の押し上げという一時的な要因による部分も大きい。消費税率が引き上げられる4月以降は内需の減速に伴い輸入の伸びが低下し貿易赤字が縮小することにより、再び経常黒字に戻ると予想している。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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