2013年11月07日

【インドネシアGDP】ルピア安は一服したものの…

研究員   高山 武士

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1.6%割れの成長が続く

インドネシア中央統計庁(BPS)は11月6日、2013年7-9月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDPは前年同期比(原系列)で5.6%の増加で、前期の2013年4-6月期(同+5.8%)よりやや減速、2期連続での6%割れとなった。


インドネシアの実質GDP成長率(需要側)/インドネシアの実質GDP成長率(供給側)/



2.ルピア安は一服したものの…

インドネシアの7-9月期のGDP成長率は4-6月期を下回り、成長鈍化が明らかになった。ただし、内容についてはそれほど弱くなかったといって良いだろう。7月以降、8%を超える高インフレに見舞われていたが、個人消費が前期より加速、強い消費意欲があることが示されため、むしろ好感材料とも言える。

ただし、投資については、鈍化の懸念も強まりつつある。中央銀行がインフレ抑制のために、6月以降に4カ月連続して利上げを実施していることや、急激なルピア安が進展したことを鑑みれば、企業の投資意欲が鈍っている可能性や海外からの資本流入が後退している可能性が考えられる。

7-9月期に急激に進んだルピア安については、9月以降に持ち直したため、好材料と言えるが、貿易赤字に明確な改善が見られていないことから、再び通貨が軟調な動きを示す可能性もあり、注意が必要だろう。

また、政治的な面では来年の最低賃金の大幅引き上げを求めて、労働団体が大規模なストライキやデモを実施している。実際に賃金が上昇しなくとも、デモなどによる「賃上げ圧力」が強まっていることが、投資流入を減少させることも考えられる。加えて、ストライキによる工場での生産休止など経済への直接的な影響も懸念される。

こうした状況を踏まえると、意外に底堅さがうかがえる内容ではあったものの、懸念材料は多く、今後も予断を許さない状況は変わらないと言えるだろう。

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高山 武士 (たかやま たけし)

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米国経済

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