2013年08月05日

数量分析(クォンツ運用)と年金実務

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リーマンショック以降の運用難の中で、実際に年金運用に携わる人々からは「数量的な分析を用いた運用(クォンツ運用)は実務の役に立たない」との声が聞こえてくる。

確かにこの数年、それまで成功してきた数量的分析に基づく運用の実績が誕生してまだ50 年ほどであり、新しい現象が起こる度にそれを追い掛けているのが実情であろう。

もちろん、過去のデータを数量的に分析し、銘柄を選択してもいつもその判断が当たり、高いリターンをあげられるとは限らず、むしろ逆効果になることもある。かといって数量的分析が年金資産運用の役に立たないと言うのは早計だ。数量的分析はあくまでも確率を高めるためのものだからだ。それを用いた場合と用いずに定性的な判断だけで運用をした場合とを比較して、前者の結果の方が優れていることが多いのなら試してみる価値がある。

それはちょうど野球の作戦にデータを使うのに似る。データの指示通りに配球をしても本塁打を打たれることはある。しかし長い目で見て、捕手の勘だけで投手をリードした場合よりもヒットを打たれる確率が低いのなら、データを活用すべきなのである。

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【数量分析(クォンツ運用)と年金実務】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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