2012年09月26日

年金運用における枠組みの革新~日本の企業年金運用の常識は世界の非常識か~

金融研究部 年金総合リサーチセンター 年金研究部長   德島 勝幸

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■見出し

1―― はじめに
2―― 一般的な企業年金における運用の姿
3―― 日本の年金運用に見られる常識的な概念
4―― 日本の年金運用に求められる革新

■introduction

経済成長が鈍化し、資産運用による利回り獲得が容易でなくなっている現状に鑑みると、日本の年金運用の常識的な概念を改めて見直す必要はないか。本稿では、まず、日本の年金運用における代表的な常識とされる概念を取上げて検証する。具体的には、次の12の概念を紹介している。(1)政策アセットミックスの作成、(2)ロングオンリーの政策アセットミックス、(3)タイムホライズンの欠如、(4)資産クラスに対する過信、(5)ユニバースとベンチマークの混同、(6)ホームカントリーバイアス、(7)分散投資に対する誤解、(8)インデックス運用への過度の依存、(9)オルタナティブ投資への過信・依存、(10)証券化商品への投資に対するアレルギー、(11)デリバティブ商品の活用に対するアレルギー、(12)不十分な運用に要するコスト認識。常識の検証に際しては、これらの概念が世界の非常識になっていないか、また、年金の運用責任を十分果たしているかどうかといった視点から行っている。

少子高齢化が進む中で公的年金への期待には限界があり、企業年金に対する機能発揮のニーズは強い。予定利率の引下げは困難であるが、安定収益資産の確保によるインカム収益の獲得とリスク許容度を意識したリスク性資産への投資によって十分な利回りを確保し、制度の魅力を維持すべきである。なお、確定拠出年金の活用によって、企業の年金運用負担を減らすことは可能でも、十分な投資教育が必要であり、トータルで見た企業の負担を大きく減らすものではないことには、注意しておきたい。

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金融研究部   年金総合リサーチセンター 年金研究部長

德島 勝幸 (とくしま かつゆき)

研究・専門分野
年金・債券・クレジット・ALM

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