2011年06月17日

インドのインフレ~中央銀行、2010年以降10回目の利上げへ

研究員   高山 武士

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■見出し

・インフレと利上げの状況
・インフレ、何が問題か

■introduction

インド準備銀行(RBI)は6月16日に開催された金融政策決定会合で、政策金利であるレポ金利を0.25%引き上げ、7.50%とすることを発表した。2010年3月以降、10回目の利上げとなる。インドではインフレ率が高止りしていることに加え、中央銀行が積極的にインフレ抑制を実施していく態度を示していたため、予想通りの利上げだったといえる。また、今回も中央銀行はそうしたインフレ抑制の姿勢を維持するとしており、今後数回にわたり、8%程度まで政策金利を引き上げるとみられる。
金融政策決定会合に先立って6月14日に発表された5月の卸売物価指数(WPI)は前年同月比で9.06%と4月の8.66%から加速した。中央銀行は最近のインフレの主要因が、エネルギー価格の上昇と食品以外の一次産品や加工品価格の上昇であると説明し、今後、速報から数値が改定される際には上方修正される可能性もあるとして、引き続きインフレ圧力が強いという見解を示した。
インドでは近年、インフレが恒常化しており、2010年以降のWPIは前年同期比で8%を超える水準を維持している。2009年の農作物収穫が不振だったことや、世界的な一次産品や原油価格の上昇の影響から、2010年は食品とエネルギー価格が目立って上昇していた。その後もインフレは緩和することなく、11年に入ってからは、食料やエネルギー価格の上昇に加えて工業製品の価格上昇もみられるようになっている。経済が成長し、旺盛な需要が期待されるインドでは、企業が原材料の価格上昇を工業製品に転嫁しやすい環境となっており、中央銀行(RBI)はこうした価格転嫁による工業製品へのインフレ波及に対しても懸念を示している。

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高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
米国経済

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