- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 地デジとラジオと緊急地震速報
コラム
2011年03月18日
地デジといっても、今年7月に控えた地デジ対策の話ではない。地域や使用機器で異なるだろうが、地デジではアナログ放送よりも2秒ほど遅れて画面や音声が表示されるケースがある。その場合は、視聴者が緊急地震速報を見るタイミングも遅れる。震源地までの距離にもよるが、今回の東北・関東大震災の余震の場合、感覚的には緊急地震速報が出てから東京に揺れが届くまで10秒前後なので、この2秒の差は大きい。
地デジにタイムラグがあるのは技術的な理由だ。地デジは画質・音質が良いことが売りだが、それゆえ電波に乗せるデータ量もアナログ放送と比べて桁違いに多い。このため、データ圧縮という技術を使って効率的に送信しているが、圧縮されたデータをテレビに映し出すためには“解凍”する必要がある。この解凍作業に時間を要するため、2秒ほどのタイムラグが生じるそうだ(他にも液晶画面の表示速度の影響もある)。
機械の話は苦手という方のために、引越で布団を運ぶ例で説明する。運ぶ布団が1枚だけなら、そのまま運べば引越し先ですぐに利用できる(アナログ放送)。ところが10枚も運ぶ場合は、トラックのスペースを無駄遣いしないよう布団圧縮袋に入れるが、引越し先で布団が元の状態に膨らんで使えるようになるまで時間がかかる(地デジ放送)。
地デジ対応テレビの多くはアナログ放送も受信できるが、実は、NHK総合テレビの音声をFMラジオの周波数95.75MHzで受信できる。地デジのように遅れることもなく、ほぼリアルタイムで聴くことができるので、覚えておくとよいかもしれない。ちなみに、NHK教育は107.75MHzだ。ただ、これも7月にアナログ放送が終了すると利用できなくなる予定なので、その後はラジオ放送を頼りにするのも一つの方法だろう。今回の震災をきっかけに、節電にも貢献するラジオの利用が見直されるかもしれない。
最後に、このたびの東北・関東大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、今後も起こるであろう天災の被害を少しでも減らせるよう2点ほど期待したい。1つはテレビに限らず情報機器の技術進歩である。平穏に生活しているときは構わないが、緊急時は2秒のタイムラグが大きいケースもある。報道によれば、すんでのところで今回の津波から難を逃れた方が多数いる。ということは、逆に、ほんの数秒の差で惜しくも犠牲になられた方も多いと解釈できるだろう。同じ理由で、2つ目は緊急警戒放送の即時性を高めることである。言うまでもなく限界はあるだろうが、緊急警戒放送がより早く出て、より速く広く国民に伝わることが重要だ。
地デジにタイムラグがあるのは技術的な理由だ。地デジは画質・音質が良いことが売りだが、それゆえ電波に乗せるデータ量もアナログ放送と比べて桁違いに多い。このため、データ圧縮という技術を使って効率的に送信しているが、圧縮されたデータをテレビに映し出すためには“解凍”する必要がある。この解凍作業に時間を要するため、2秒ほどのタイムラグが生じるそうだ(他にも液晶画面の表示速度の影響もある)。
機械の話は苦手という方のために、引越で布団を運ぶ例で説明する。運ぶ布団が1枚だけなら、そのまま運べば引越し先ですぐに利用できる(アナログ放送)。ところが10枚も運ぶ場合は、トラックのスペースを無駄遣いしないよう布団圧縮袋に入れるが、引越し先で布団が元の状態に膨らんで使えるようになるまで時間がかかる(地デジ放送)。
地デジ対応テレビの多くはアナログ放送も受信できるが、実は、NHK総合テレビの音声をFMラジオの周波数95.75MHzで受信できる。地デジのように遅れることもなく、ほぼリアルタイムで聴くことができるので、覚えておくとよいかもしれない。ちなみに、NHK教育は107.75MHzだ。ただ、これも7月にアナログ放送が終了すると利用できなくなる予定なので、その後はラジオ放送を頼りにするのも一つの方法だろう。今回の震災をきっかけに、節電にも貢献するラジオの利用が見直されるかもしれない。
最後に、このたびの東北・関東大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、今後も起こるであろう天災の被害を少しでも減らせるよう2点ほど期待したい。1つはテレビに限らず情報機器の技術進歩である。平穏に生活しているときは構わないが、緊急時は2秒のタイムラグが大きいケースもある。報道によれば、すんでのところで今回の津波から難を逃れた方が多数いる。ということは、逆に、ほんの数秒の差で惜しくも犠牲になられた方も多いと解釈できるだろう。同じ理由で、2つ目は緊急警戒放送の即時性を高めることである。言うまでもなく限界はあるだろうが、緊急警戒放送がより早く出て、より速く広く国民に伝わることが重要だ。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1852
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年03月19日
韓国政府の優秀外国人材確保政策-その3-韓国政府の他の優秀外国人材の確保政策 -
2024年03月19日
韓国政府の優秀外国人材確保政策-その2-優秀人材特別帰化制度の適用対象を大幅に拡大 -
2024年03月19日
韓国政府の優秀外国人材確保政策-その1-2011年施行された改正国籍法の主な内容 -
2024年03月19日
保険会社の再建と破綻処理等の制度構築の動き(英国)-PRAが「ソルベント・イグジット」の導入について意見募集中 -
2024年03月19日
3億人の年金をどう確保するか(中国)。【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(62)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
-
2023年04月27日
News Release
【地デジとラジオと緊急地震速報】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
地デジとラジオと緊急地震速報のレポート Topへ