2009年11月30日

鉱工業生産09年10月~生産の回復ペースは90年以降では最速

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・8ヵ月連続の上昇
・10-12月期は3四半期連続の増産も、在庫調整一巡から伸び率は鈍化
・生産の回復ペースは90年以降では最速

■introduction

経済産業省が11月30日に公表した鉱工業指数によると、10月の鉱工業生産指数は前月比0.5%と8ヵ月連続で上昇したが、事前の市場予想(ロイター集計:前月比2.5%、当社予想は同2.6%)は大きく下回り、3月以降の上昇局面では最も低い伸びにとどまった。出荷指数は前月比1.3%と8ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比▲1.5%と2ヵ月連続の低下となった。
10月の生産を業種別に見ると、回復が遅れていた一般機械が設備投資の持ち直しを反映し前月比5.7%の高い伸びとなったが、在庫調整の進展から高い伸びが続いていた電子部品・デバイスが前月比▲1.0%の低下となったほか、大幅増産が続いていた輸送機械は前月比0.0%の横ばいにとどまった。速報段階で公表される16業種中、9業種が前月比で上昇、6業種が低下(1業種が横ばい)となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資の一致指標である資本財出荷(除く輸送機械)は7-9月期に前期比5.3%と8四半期ぶりの増加となった後、10月は前月比▲1.3%となった。GDP統計の設備投資は7-9月期には前期比1.6%と6四半期ぶりの増加となったが、設備稼働率が引き続き低水準にとどまっていることなどから、当面は一進一退の動きが続く可能性が高い。
一方、消費財出荷指数は7-9月期の前期比7.4%の後、10月は前月比1.8%となった。特に、好調な自動車販売を反映し、耐久消費財が7-9月期に前期比15.1%となった後、10月も前月比2.6%と高い伸びを維持している。
在庫循環図を確認すると、08 年10-12月期から09 年7-9月期までは「在庫調整局面」に位置していたが、10月単月では「意図せざる在庫減少局面」へと移行した。出荷の減少幅が7-9 月期の前年比▲19.3%から10月には同▲13.0%へと縮小する一方、在庫の減少幅が7-9月期(末)の前年比▲12.1%から10月には同▲14.4%へと拡大し、在庫の減少幅が出荷の減少幅を上回った。在庫調整は最終局面を迎えつつある。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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