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米10月ISM指数は、製造業が上昇の一方、非製造業が低下~雇用指数が明暗を分ける
土肥原 晋
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■見出し
・製造業指数の上昇(55.7)に対し、非製造業は低下(50.6)するも50は上回る
・製造業各指数では、生産・雇用指数の上昇が顕著:指数別の動向
・非製造業指数は、雇用指数に押し下げられる
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、10月製造業指数(PMI)が55.7と前月(52.6)から上昇、市場予想値(53.0)を上回った。製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50越えは3ヵ月連続となった。また、10月水準は2006年4月(56.0)以来約3年半ぶりの高水準となる。同指数は、昨年12月には32.9と1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準を記録したが、その後、8月には50台を回復していた。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、10月PMIは実質GDP年率4.5%に該当するとしている。
一方、10月の非製造業指数(NMI:注)は50.6と前月(50.9)から低下、市場予想(51.5)を下回った。NMIは昨年9月金融危機後に37.4(11月)まで急低下、その後持ち直し、9月には50.9と昨年5月(51.2)以来の水準を回復していた。10月は低下したものの、非製造業の業況の分かれ目となる50は連月で上回った。
ISM発表の両指数の推移を比較すると、昨年9月金融危機以降の落ち込みは製造業の方が大きかったものの、その後、製造業指数の改善が先行した形となっており、10月には上記のように3年半ぶりの水準を回復した。特に、製造業指数の主要な構成指数である生産指数は60台に上昇、回復の遅れが懸念されていた雇用指数でも50台を回復するなど事業の活発化が窺われる。
半面、非製造業指数は、消費の不振が重荷となる中、9月には50台を回復したものの、10月は伸び悩んだ。なお、10月は、それぞれの雇用指数が、製造業では53.1へと急上昇したのに対し、非製造業では41.1へと低下してNMIを押し下げる主因となるなど、雇用指数の動向が明暗を分ける形となった。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。)
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