2009年08月28日

雇用統計09年7月~失業率は過去最悪の5.7%

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・失業率は過去最悪の5.7%
・有効求人倍率は過去最低を更新したが、下げ止まりの兆しも

■introduction

総務省が8月28日に公表した労働力調査によると、7月の完全失業率は前月から0.3ポイント上昇し5.7%となった(ロイター事前予想:5.5%、当社予想は5.6%)。失業者数(季節調整値)も過去最悪の376万人(これまでの最悪は2002年8月の368万人)となった。
景気はすでに回復局面に入っているが、失業率の上昇ペースはここにきてむしろ加速している。失業率は景気の遅行指標であるため、当面は上昇傾向が続くことが見込まれる。ここ数ヵ月間で雇用調整が一気に進んだこともあり、失業率の上昇ペースは今後緩やかとなる可能性もあるが、年内には6%台に達するだろう。
失業者数は359万人、前年に比べ103万人の増加となり、6月の83万人増から増加幅がさらに拡大した。失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ83万人増(うち勤め都合が65万人増)となり、全体の増加の約8割を占めた。一方、自己都合による失業者も10万人の増加となった。
なお、今月の失業率の悪化は、これまでの非労働力化の動きに歯止めがかかったことも一因となっている。7月の労働力人口(季節調整値)は前月に比べ15万人の増加、非労働力人口(季節調整値)は10万人の減少となった。これまで就業をあきらめ非労働力化していた人が求職活動を行うようになったことにより失業者として顕在化したとみることもできる。失業者が増加する一方で、雇用者(季節調整値)も前月に比べ24万人増と8ヵ月ぶりに増加しており、失業率の表面的な数字ほど雇用情勢が急速に悪化しているわけではないことには留意が必要である。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、鉱工業生産はこのところ持ち直しの動きを続けているが、製造業の雇用者数は、08年度末にかけての生産活動の大幅な落ち込みを反映し、前年に比べ▲95万人減(6月:同▲88万人減)と減少幅がさらに拡大した。製造業の減少幅は全体の減少幅(▲80万人減)を上回っている。派遣社員が含まれる職業紹介・労働者派遣業の雇用者数は前年に比べ▲23万人減と9ヵ月連続の減少となった(6月は▲22万人減)。一方、医療・福祉は前年に比べ37万人の増加となり、6月の20万人増から増加幅が拡大した。
従業員規模別には、500人以上の大企業は前年に比べ5万人増(6月は18万人増)となったが、499人以下の企業では大幅な減少が続いた。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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