2008年11月14日

景気後退色強まる欧州経済~試される統合の結束力

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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  1. 9月半ば以降、世界的に金融危機が広がったことで、7~9月期までの欧州経済の下押し要因となってきた原油高や通貨高には急ピッチの修正が加わり、ECB、BOEを始め多くの中央銀行がインフレ警戒を改め、利下げに転じた。
  2. サーベイ調査を見る限り、金融危機と世界同時景気後退懸念の影響は、原油安、通貨安、利下げ転換の効果を上回っており、10~12月期も落ち込みは続くだろう。
  3. 今回の金融危機はEUにとって大きな試練であるが、欧州域内ではユーロ導入を目標に動き始める国もあり、求心力も働いている。90年代初めの通貨危機が通貨統合を後押ししたように、深刻な危機に直面してこそ、統合の完成度を高める動きや、統合の地域的拡大が後押しされる面もある。
  4. 共同歩調による金融安定化、周辺国支援、景気対策の取り組みなど、危機拡大阻止への全力の取り組みが統合の結束力強化につながるのか注目したい。
図1
図2

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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