2008年05月22日

貿易統計08年4月~貿易黒字の縮小傾向強まる

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・貿易黒字は2ヵ月連続で二桁減
・米国向け輸出回復の判断は時期尚早

■introduction

財務省が5月22日に公表した貿易統計によると、4月の貿易黒字は4,850億円(前年比▲46.3%)となり、2ヵ月連続で前年比二桁の減少となった。市場予想(ロイター集計:7,250億円、当社予想は5,088億円)を大きく下回る結果であった。
輸出数量は前年比9.9%(3月:同5.1%)と持ち直したが、円高の影響で輸出価格が前年比▲5.4%(3月:同▲2.8%)とマイナス幅が拡大したため、輸出金額は前年比4.0%の低い伸びにとどまった(3月:同2.3%)。
輸入金額は、原油高などから輸入価格が前年比9.1%(3月:同10.6%)と高止まりする中、輸入数量が前年比2.6%(3月:同0.5%)と伸びが高まったため、前年比11.9%(3月:同11.1%)と3ヵ月連続で二桁の伸びとなった。
数量ベースでは、引き続き輸出の伸びが輸入の伸びを上回っているが、金額ベースでは07年11月以降その関係は逆転しており、貿易黒字は縮小傾向が続いている。円高の影響で輸出価格の伸びがマイナスとなる一方、原油高などから輸入価格が高止まりしているため、交易条件は大幅に悪化しており、このことが企業収益の圧迫につながっている。日銀短観3月調査では、07年度下期の経常利益(実績見込)が前年比▲7.5%(全規模・全産業ベース)の減少となった。
原油価格(WTI先物)は5月に入ってから上昇ペースが加速し、5/21には1バレル=130ドルを突破した。輸入価格上昇を主因とした輸入金額の大幅増加により、貿易黒字の縮小、企業収益の悪化傾向はしばらく続く可能性が高いだろう。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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