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- 雇用統計07年4月~失業率は約9年ぶりに3%台へ
■見出し
・雇用の伸びが急加速
・非正規雇用比率は再び上昇
・有効求人倍率も改善
■introduction
総務省が5月29日に公表した労働力調査によると、4月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下の3.8%となり(ロイター事前予想:4.0%、当社予想は3.9%)、98年3月以来、ほぼ9年ぶりに3%台を記録した。
失業者数は前年に比べ16万人の減少となったが、その内訳を求職理由別に見ると、自己都合が97万人と前年に比べ6万人の減少、非自発的離職(定年等、勤め先都合)が90万人と前年に比べ5万人の減少、その他が79万人と前年に比べ5万人の減少となった。
雇用者数は前年比1.6%となり、3月の同1.1%から伸びが大きく加速した。製造業が前年比1.1%、サービス業が同0.4%と3月の減少から増加に転じたほか、医療・福祉が同6.1%と高い伸びを維持した。雇用の内訳を年齢別に見ると、減少が続いていた15~24歳の若年層が前年に比べて19万人の増加となった。人手不足感の高まりを背景に、企業は新卒採用の拡大を進めてきたが、新年度に入ってその影響が顕在化したものと考えられる。
労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は60.8%と前年に比べて0.3ポイントの上昇となった。景気回復の長期化に伴う就業意欲の高まりから、このところ労働市場への参入が増えている。そうした中でも失業率が低下したことは、雇用情勢の改善度合いが一段と強まっていることを表したものと言えよう。
求人・求職間のミスマッチ等により生じる構造的失業率(=均衡失業率)は、3%台後半と考えられ、ここにきて需要不足による失業はほぼ解消されたと見られる。賃金の伸びは足もとでは低迷が続いているが、失業率3%台が定着すれば、賃金上昇圧力は徐々に高まっていくことが予想される。
(2007年05月29日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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