2007年05月11日

5月ECB政策理事会~6月利上げを事実上予告

経済研究部 上席研究員   伊藤 さゆり

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■見出し

・「強く警戒」のキーワードで6月の利上げを予告
・6月の利上げ後も、追加利上げに含みを残す見込み

■introduction

・インフレ・リスクへのスタンスは「強く警戒」に引き上げ
欧州中央銀行(以下、ECB)は5月10日に政策理事会を開催、政策金利を3.75%で据え置くことを決定した。トリシェ総裁は、政策理事会後の記者会見で、インフレ・リスクへのスタンスを先月の「特に注視(monitor very closely)」から「強く警戒(strong vigilance)」に引き上げ、次回6月6日開催の理事会での25bpの利上げを事実上予告した。「強く警戒」は、トリシェ総裁が用いてきた3種類のキーワードの最も強く、2005年12月以降、合計7回の利上げの全てのケースで、利上げの前月に用いられてきた。

・賃金インフレのリスクへの警戒を強化
今回のトリシェ総裁のコメントにおける注目点は以下のようなものであり、インフレの上振れリスク、特に、労働市場を通じたインフレ圧力への警戒を一段と強めている様子が伺われた。

・過剰流動性に対しても強い警戒を維持
賃金インフレと共に警戒している過剰流動性に関しては、「マネーサプライや民間部門向け貸出の伸びの鈍化」など利上げの効果が見られるとしながら、「流動性はあらゆる尺度で見て潤沢」という評価は変えず、「中期的な物価安定を脅かすリスク」として、“require very careful monitoring”という強い警戒を維持した。

・利上げバイアス継続のベースは強めの経済指標
こうした判断の根拠となっているのは、以下のように経済指標が強さを保っていることがある。

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経済研究部   上席研究員

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州経済

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