2006年02月10日

有効求人倍率1倍の裏側

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

文字サイズ

  1. 2005年12月の有効求人倍率(有効求人数/有効求職者数)は1.00倍と、13年3ヵ月ぶりに1倍台を回復した。有効求人倍率が1倍に達するのは、バブル期以来であり、その前になると1960年代後半から1970年代前半にかけてのいざなぎ景気、列島改造ブームの時代までさかなぼらなければならない。
  2. しかし、最近の求人数は、景気回復に伴う求人増のほかに、求人開拓推進員による求人開拓によって押し上げられている。求人開拓による求人増は必ずしも労働需要の強さを反映したものとは言えない面もある。
  3. また、失業者数に対する求職者数の割合は長期的に低下しており、このことが過去に比べると有効求人倍率が高めに出やすい原因になっている。
  4. このように、最近の有効求人倍率は、景気循環や労働需給とは直接関係のない要因によって押し上げられている。景気は回復基調を強めており、有効求人倍率は1倍を超えてさらに上昇する可能性が高いが、過去と比較する場合には足もとの水準は割り引いて見る必要があるだろう。
36765_ext_15_1.jpg
45_ext_01_0.jpg

経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

レポート

アクセスランキング

【有効求人倍率1倍の裏側】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

有効求人倍率1倍の裏側のレポート Topへ