- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経営・ビジネス >
- 雇用・人事管理 >
- 雇用保護規制と労働市場
2002年01月01日
- わが国における雇用環境はこれまで安定的な経済成長と終身雇用をはじめとするいわゆる日本的雇用慣行を背景として良好な状態を保つことができた。しかしながら、安定的な成長パターンに陰りが見える昨今のような経済環境下においては、日本的雇用慣行が雇用環境を良好な状態に保つのに有効かどうかについて疑問が持たれる。この日本的雇用慣行を制度面から支えるのが雇用保護規制である。本レポートでは雇用保護規制が雇用環境に悪影響をもたらす可能性について考察した。
- 雇用保護規制は長期にわたる景気低迷下では企業の採用行動をより慎重にさせること、あるいは賃金の硬直性を引き起こすことなどを通じて総労働需要を低下させ、その趣旨とは逆に雇用環境を悪化させることが懸念される。いずれの場合にも、雇用保護規制の対象から外れることの多い若年層、女性、失業者にマイナスの影響が強くもたらされるものと考えられる。
- このような雇用保護規制による雇用環境へのマイナスの影響について先進各国の雇用統計を用いた実証的な検証を試みた。それによると統計的にも、雇用保護規制が厳格な国ほど労働市場全体の雇用環境が悪化すると同時に若年層など特定層が排除される傾向があることが明らかとなった。
- 現在、政府でもこのような考え方に基づいて雇用保護規制の見直しに関する審議が進められつつあるが、雇用保護規制の緩和と労働市場の効率性改善に向けたより迅速かつ大胆な対応が求められる。
末廣 譲凡
研究・専門分野
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月07日
今週のレポート・コラムまとめ【4/30-5/2発行分】 -
2024年05月02日
為替介入再開、既に連発か?~状況の整理と今後の注目ポイント -
2024年05月02日
米FOMC(24年5月)-予想通り、6会合連続で政策金利を据え置き。量的引締めペースの減速を決定 -
2024年05月01日
ユーロ圏消費者物価(24年4月)-総合指数は横ばい、コア指数は低下 -
2024年05月01日
ユーロ圏GDP(2024年1-3月期)-前期比0.3%、プラス成長に転じる
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【雇用保護規制と労働市場】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
雇用保護規制と労働市場のレポート Topへ