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コラム
2025年10月06日

データで見る今年の夏の暑さ~東京は偏差値で言えば80台~

金融研究部 客員研究員 小林 正宏

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今年の夏は格別に暑かった。気象庁によれば、令和7年夏(6~8月)の記録的な高温について、「日本の夏平均気温偏差は、昨年、一昨年の記録を大幅に上回り、3年連続で最も高い記録となった」「歴代最高気温を観測し、猛暑日や40℃以上の延べ地点数の記録も更新した」等とされている1。日本全国については1898年から統計があるが、東京については1875年2から150年分のデータがある(図表1)。
図表1 東京の夏(6~8月)の日最高気温の平均値(℃)
19世紀にも、日清戦争のあった1894年は30.4度と30度を超えていた。冷夏で平成の米騒動のあった1993年は26.1度とこの50年では突出して低かった。新型コロナが5類に移行した2023年から今年にかけてはギアが上がったかのような上昇となったが、この150年の平均値と標準偏差から偏差値換算すると、今年は偏差値81.8(3.18σ)と80台を突破した3(図表2)。
図表2 東京の夏(6~8月)の日最高気温の平均値の偏差値
アメリカのトランプ大統領は国連総会での演説で地球温暖化対策を批判したが、真実がどうであれ、耐え難い暑さであることに変わりはない。折しも、東京のマンション市場も価格高騰が続いている。この際、地方創生のみならず、避暑による生産性向上の観点からも、二拠点居住を真剣に考えるのも一案ではないだろうか。
 
1 気象庁「令和7年夏の記録的な高温と7月の少雨の特徴およびその要因等について」(令和7年9月5日)
https://www.jma.go.jp/jma/press/2509/05b/kentoukai20250905.html
2 ただし、1875年は6月10日から。
3 1875年から2023年までのデータに基づけば2023年も偏差値80.4となるので史上初ではない。

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年10月06日「研究員の眼」)

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金融研究部   客員研究員

小林 正宏 (こばやし まさひろ)

研究・専門分野
国内外の住宅・住宅金融市場

経歴
  • 【職歴】
     1988年 住宅金融公庫入社
     1996年 海外経済協力基金(OECF)出向(マニラ事務所に3年間駐在)
     1999年 国際協力銀行(JBIC)出向
     2002年 米国ファニーメイ特別研修派遣
     2022年 住宅金融支援機構 審議役
     2023年 6月 日本生命保険相互会社 顧問
          7月 ニッセイ基礎研究所 客員研究員(現職)

    【加入団体等】
    ・日本不動産学会 正会員
    ・資産評価政策学会 正会員
    ・早稲田大学大学院経営管理研究科 非常勤講師

    【著書等】
    ・サブプライム問題の正しい考え方(中央公論新社、2008年、共著)
    ・世界金融危機はなぜ起こったのか(東洋経済新報社、2008年、共著)
    ・通貨で読み解く世界経済(中央公論新社、2010年、共著)
    ・通貨の品格(中央公論新社、2012年)など

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