- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:週平均賃金は前年比4.6%まで低下
【7月】
・失業保険申請件数2は前月(170.16万件)から0.62万件減の169.54万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.4%となり、前月(同4.4%)と同じだった。
・給与所得者数3は前月(3029.42万人)から0.8万人減の3028.58万人となった。増減数は前月(▲2.6万人)から減少幅が縮小し、市場予想4(▲2.0万人)を上回った。
【6月(25年4-6月の3か月平均)】
・失業率は4.7%で前月(4.7%)から横ばい、市場予想(4.7%)と一致した(図表1)。
・就業者は3421.4万人で3か月前の3397.5万人から23.9万人増加した。増減数は市場予想(18.5万人)を上回り、前月(13.4万人)から拡大した。
・週平均賃金は前年比4.6%で前月(5.0%)から低下、市場予想(4.7%)を下回った(図表2)。
1 労働力調査ベースの統計については、回答率の低下を受け、ONSでは開発中の公式統計という位置付けで公表されている。
2 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは開発中の公式統計という位置付けで公表している。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計。
4 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:定期賃金の伸びは前年比5.0%と横ばいで、3か月前比年率は4.7%に加速
同じく7月データの給与所得者は、7月(速報値)の前月差で▲0.8万人となり、6か月連続での減少となった(なお、過去の数値は総じて改善方向に改定され、6月▲4.1→▲2.6万人、5月▲2.5→▲2.2万人、4月▲2.3→▲1.7万人、3月▲2.7→▲2.5万人などとなった)。産業別には卸・小売、専門・技術サービスの減少が目立つ一方、事務・支援サービスなどが前月対比で増加した。給与所得者増減を流出入別に見ると、流出数は横ばい圏の動きだが、流入の減少傾向が継続している(図表4)。7月の給与額(中央値)伸び率は前年比5.7%となり5月(5.8%、改定前は5.6%)からやや低下した。なお、平均給与額は6月で前年比3.6%とかなり低下が進んでいる(図表5)。
処遇改善を求めたストライキは、6月は件数ベースで52件(5月44件)、労働損失日数で3.8万日(5月3.7万日)となっており、低水準での推移が続いている(図表6)。
(2025年08月13日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/13 | 英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/08 | 英国金融政策(8月MPC公表)-予想通りの利下げ決定も、4名は据え置き主張 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/08 | トランプ関税後の貿易状況(25年8月更新版) | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | ユーロ圏消費者物価(25年7月)-総合指数は2か月連続で前年比2% | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月13日
インド消費者物価(25年8月)~7月のCPI上昇率は+1.6%、食品価格の下落が続き8年ぶりの低水準に低下 -
2025年08月13日
企業物価指数2025年7月~国内企業物価は4ヵ月連続で伸びが縮小~ -
2025年08月13日
英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下 -
2025年08月12日
東京オフィス市場は賃料上昇継続。宿泊需要は伸び率が鈍化-不動産クォータリー・レビュー2025年第2四半期 -
2025年08月12日
次期公的年金シミュレーターでは、iDeCoの取崩しイメージも見える化へ~年金改革ウォッチ 2025年8月号
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
英国雇用関連統計(25年7月)-週平均賃金は前年比4.6%まで低下のレポート Topへ