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2025年06月23日

マスク着用のコミュニケーションへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと

保険研究部 准主任研究員 岩﨑 敬子

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■要旨

マスク着用が人々に与える影響に関する研究分野は、コロナ禍でのその研究の需要の高まりを受けて、近年急速に進展した。マスク着用の影響は、感染拡大予防効果のような医学的側面から、コミュニケーションの質といった社会心理的側面まで多岐にわたる。コロナ禍を経た研究蓄積をもとに、そのメリットやデメリットを多面的に捉えることは、マスクとのより良い付き合い方を考える機会となるかもしれない。そこで本稿を含めて、全5回の基礎研レポート/基礎研レターでは、マスク着用の人々への影響について、「健康」「メンタルヘルス(12)」「コミュニケーション(1・2)」に分けて、コロナ禍を経た研究蓄積からわかっていること/いないことを紹介していく。本稿では、その第四弾として、マスク着用のコミュニケーションへの影響を取り上げる。要点を先取りしてお伝えすると、これまでの研究では、マスク着用は個人識別や感情識別、音声識別を難しくする可能性が示唆されている。

■目次

1――マスク着用は個人識別を難しくする可能性がある
  1|マスク着用が個人識別を難しくする可能性を示した研究
  2|マスク着用とサングラスではどちらがより個人識別に影響を与えるのかはわかっていない
2――マスク着用は感情識別を難しくする可能性がある
  1|マスク着用が感情認識に影響する可能性を示した研究
  2|マスク着用は感情認識のスピードを遅くする可能性がある
  3|マスクとサングラスのどちらがより感情認識に影響を与えるかは感情によって異なる可能性
3――マスク着用は音声に影響を与えている可能性がある

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年06月23日「基礎研レター」)

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保険研究部   准主任研究員

岩﨑 敬子 (いわさき けいこ)

研究・専門分野
応用ミクロ計量経済学・行動経済学 

経歴
  • 【職歴】
     2010年 株式会社 三井住友銀行
     2015年 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員
     2018年 ニッセイ基礎研究所 研究員
     2021年7月より現職

    【加入団体等】
     日本経済学会、行動経済学会、人間の安全保障学会
     博士(国際貢献、東京大学)
     2022年 東北学院大学非常勤講師
     2020年 茨城大学非常勤講師

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レポート紹介

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