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- 企業物価指数2025年4月~国内企業物価は5ヵ月連続で前年比4%台~
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2025年05月14日
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1.国内企業物価は5ヵ月連続で前年比4%台

内訳をみると23類別中、19類別が上昇、4類別が低下となった。精米が前年比80.0%、玄米が同72.2%とコメ価格の高騰が続いていることから、農林水産物は前年比42.2%(3月:同39.1%)となった。また、4月1日からの酒類の値上げを受けて、ビールが同2.6%(3月:同▲0.1%)、果実酒・チューハイが同3.3%(3月:同1.3%)と、飲食料品は前年比3.6%(3月:同3.4%)と前月から伸びを高めた。電気・都市ガス代の支援策は3月使用分(4月請求分)で値引き額が縮小したことから、事業用電力が前年比12.2%(3月:同7.4%)となり、電力・都市ガス・水道は、前年比10.1%(3月:同6.5%)と前月から伸びを高めた。
2.円ベースの輸入物価は前年比▲7.2%
4月の契約通貨ベースの輸入物価は、前年比▲2.6%(3月:同▲2.0%)と8ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、ガソリンが前年比▲22.4%と9ヵ月連続のマイナス、ジェット燃料油が同▲15.2%となったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前年比▲9.1%(3月:同▲7.8%)と8ヵ月連続でマイナスとなった。
契約通貨ベースの前月比では、▲0.6%(3月:同▲0.2%)と2ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、原油が前月比▲1.3%と2ヵ月連続のマイナス、液化天然ガスが同▲1.1%と3ヵ月連続のマイナスとなったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比▲2.1%(3月:同▲1.8%)と2ヵ月連続でマイナスとなり、全体を押し下げた。
4月の為替相場は、対ドルでは144円台(前月比▲3.2%)と前月よりも円高水準で推移したため、為替要因による押し下げ効果から、円ベースの輸入物価は前月比▲2.9%(3月:同▲1.5%)、前年比では▲7.2%(3月:同▲2.4%)と大幅なマイナスとなった。
契約通貨ベースの前月比では、▲0.6%(3月:同▲0.2%)と2ヵ月連続のマイナスとなった。内訳をみると、原油が前月比▲1.3%と2ヵ月連続のマイナス、液化天然ガスが同▲1.1%と3ヵ月連続のマイナスとなったことなどから、石油・石炭・天然ガスは前月比▲2.1%(3月:同▲1.8%)と2ヵ月連続でマイナスとなり、全体を押し下げた。
4月の為替相場は、対ドルでは144円台(前月比▲3.2%)と前月よりも円高水準で推移したため、為替要因による押し下げ効果から、円ベースの輸入物価は前月比▲2.9%(3月:同▲1.5%)、前年比では▲7.2%(3月:同▲2.4%)と大幅なマイナスとなった。
3.先行きの国内企業物価は鈍化傾向が続くと予想
国内企業物価は前年比の伸び率が前月から鈍化したものの、5ヵ月連続で前年比4%台となった。先行きについては、電気・都市ガス代の支援策が2025年3月使用分(4月請求分)で終了したことから、エネルギー価格の上昇率は高止まりすることが見込まれる。農林水産省が5月12日に発表したコメの平均店頭価格は、18週ぶりに値下がりしたものの、値下がりは小幅となっており、今後も高止まりが継続するだろう。飲食料品の上昇率は前年比3.6%と、2023年夏頃(同8%台後半)に比べれば低水準にとどまっているが、食料品値上げの動きはしばらく続く可能性が高い。
国内企業物価は、電気・都市ガス代支援策が終了したことが押し上げ要因となるものの、足もとの原油価格の下落や、備蓄米の流通によるコメ価格の緩やかな下落により、5月に3%台となった後、鈍化傾向が続くと予想される。
国内企業物価は、電気・都市ガス代支援策が終了したことが押し上げ要因となるものの、足もとの原油価格の下落や、備蓄米の流通によるコメ価格の緩やかな下落により、5月に3%台となった後、鈍化傾向が続くと予想される。
(2025年05月14日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2020年4月 株式会社横浜銀行
2024年9月 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
佐藤 雅之のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
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