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コラム
2025年02月12日
供給制約をどう乗り切るか-設備投資の増勢を維持するために
03-3512-1837
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1――経団連の設備投資の新目標、2040年度に200兆円と倍増を表明
2025年1月、経団連は民間企業による国内向けの設備投資を2030年度に135兆円、2040年度に200兆円にすることを目指す新たな目標を示し、政府に協力を求めた。石破総理も「官民一体で取り組んでいく必要がある」と強調し、脱炭素や人工知能(AI)などへの投資を伸ばす計画を打ち出した。
足元で、AI関係のデータセンターの設備投資は伸びている。総務省の調査によると、2027年には4兆以上に市場規模が拡大し、その先も毎年10%程度の成長が続くことが予測されている[図表1]。ただし、日本全体の設備投資動向を見ると、強い面と弱い面の両方を見て取ることができる。実際、名目ベースの設備投資額は、トレンドを大きく切り上げているものの、実質ベースの設備投資額は、大きく伸びていない[図表2]。
足元で、AI関係のデータセンターの設備投資は伸びている。総務省の調査によると、2027年には4兆以上に市場規模が拡大し、その先も毎年10%程度の成長が続くことが予測されている[図表1]。ただし、日本全体の設備投資動向を見ると、強い面と弱い面の両方を見て取ることができる。実際、名目ベースの設備投資額は、トレンドを大きく切り上げているものの、実質ベースの設備投資額は、大きく伸びていない[図表2]。
2――「作りたい、でも、作れない」が増加
これから人手はさらに減る。このままだと経団連が打ち出した2030年度や、2040年度の目標どころか、設備投資計画を立てても人がいなくて作れないといった状況になりかねない。さらには、高度成長期に整備された大量のストックが一斉に更新時期を迎える。これら老朽化したインフラのメンテナンスなどをどうしていくか、新規の設備投資と併せて考えて行かなければならない。
3――設備投資の増勢維持ができなければ、潜在成長率は駄駄下がり
設備投資に起こっている人手不足などの供給制約を緩和するためには、IT化やデジタル化などは、これまでと比較にならないペースで進める必要がある。そして、その際、優先順位も相当切り込んで決めなければならない。批判を覚悟で言えば、今いる人で何とかして仕事を回すには、働きたい人がもっと働けるようにすることも考えて良いのかもしれない。これまでの働き方改革は、もっぱら労働時間を削減することに焦点を当ててきたが、やる気があり、やりたい人がもっと頑張れるというあり方も考慮に値する。個人の意思に焦点を当て、ワークライフバランスの自由度を上げるような制度設計を議論し、導入しないと、バタバタと建設が止まる事態も起こり得る。ベンチャービジネスなどでも言われていることではあるが、個人的には必要な制度だと考えている。
2024年の日本経済は、実質・暦年ベースで4年ぶりにマイナス成長になると見込まれる。その中で、明確にプラスとなるのは設備投資だ。2025年はトランプ政策の誕生により、海外経済の不確実性は増している。そうした中で、内需の柱となる設備投資は重要であり、中長期の潜在成長率を引き上げるためにも欠かせない。潜在成長率の当社予想の大前提には、設備投資の増勢が続き、資本投入が増えていくことがある。設備が作れなければ、潜在成長率は駄々下がりしてしまう。
直近2月7日の日米首脳会談では、石破総裁がトランプ大統領に対米投資を1兆ドルやると表明した。米国など海外への投資はどんどん増えるだろうが、国内投資を増やさないと国内に雇用は生まれない。20年以上にわたって放置してきた供給面の課題(労働力不足、エネルギー不足、サプライチェーンの脆弱性など)を急いで解決しないと、国内の景気回復が持続しないという、これまでにない差し迫った状況が生じている。
2024年の日本経済は、実質・暦年ベースで4年ぶりにマイナス成長になると見込まれる。その中で、明確にプラスとなるのは設備投資だ。2025年はトランプ政策の誕生により、海外経済の不確実性は増している。そうした中で、内需の柱となる設備投資は重要であり、中長期の潜在成長率を引き上げるためにも欠かせない。潜在成長率の当社予想の大前提には、設備投資の増勢が続き、資本投入が増えていくことがある。設備が作れなければ、潜在成長率は駄々下がりしてしまう。
直近2月7日の日米首脳会談では、石破総裁がトランプ大統領に対米投資を1兆ドルやると表明した。米国など海外への投資はどんどん増えるだろうが、国内投資を増やさないと国内に雇用は生まれない。20年以上にわたって放置してきた供給面の課題(労働力不足、エネルギー不足、サプライチェーンの脆弱性など)を急いで解決しないと、国内の景気回復が持続しないという、これまでにない差し迫った状況が生じている。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2025年02月12日「研究員の眼」)
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