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- 不動産投資市場動向(2024年上半期)~外資の取得額が減少するも、全体では高水準を維持
2024年09月11日
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■要旨
2024年上半期の国内不動産取引額は前年同期比で概ね横ばいとなった。セクター別では、インバウンド需要への期待からホテルの取引額が拡大した一方、建築コスト上昇や金利の先高観などを背景に長期に資金が拘束される開発用地への投資はやや敬遠される傾向にある。購入額を国内資本/外国資本の別に集計すると、国内資本による購入額 が過去10年間で最高額を記録する一方、外国資本は例年の半分程度の水準に留まっている。ただし、産業施設やホテルに対する外国資本の投資意欲は依然として旺盛である。
2024年上半期の世界の不動産取引額は減少が続いている。欧米ではオフィス市況が悪化していることに加えて、不動産向け融資が厳格化していることも、取引低迷をもたらしている。また、この状況のなか、不動産投資戦略においてデットへの関心が高まっている。現物投資の対象として不良債権処理に伴う不動産の売り出しが増加することを期待したものの、実際には出物が少なく取引が成立しにくい状況にあるのかもしれない。
世界の不動産取引市場が冷え込むなか、グローバル投資家の日本市場への注目が高まっている。低金利環境や安定した賃貸市況、高い流動性など良好な投資環境が評価されて、世界における日本の不動産投資市場の存在感が増しているようだ。もっとも、今後は欧米では政策金利の引下げが実施される見通しであり、不動産取引市場に回復の兆しがみえてくるかも知れない。これに対して、国内では日銀による追加利上げが予想される。こうした金融政策の方向性の違いによって生じる影響に留意しながら、不動産取引市場の動向を注意深くモニタリングする必要がありそうだ。
■目次
・国内の不動産取引動向(2024年上半期)
・世界の不動産取引動向(2024年上半期)
・世界の注目を集める国内不動産市場。今後は金融政策の方向性の違いに留意
本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
2024年上半期の国内不動産取引額は前年同期比で概ね横ばいとなった。セクター別では、インバウンド需要への期待からホテルの取引額が拡大した一方、建築コスト上昇や金利の先高観などを背景に長期に資金が拘束される開発用地への投資はやや敬遠される傾向にある。購入額を国内資本/外国資本の別に集計すると、国内資本による購入額 が過去10年間で最高額を記録する一方、外国資本は例年の半分程度の水準に留まっている。ただし、産業施設やホテルに対する外国資本の投資意欲は依然として旺盛である。
2024年上半期の世界の不動産取引額は減少が続いている。欧米ではオフィス市況が悪化していることに加えて、不動産向け融資が厳格化していることも、取引低迷をもたらしている。また、この状況のなか、不動産投資戦略においてデットへの関心が高まっている。現物投資の対象として不良債権処理に伴う不動産の売り出しが増加することを期待したものの、実際には出物が少なく取引が成立しにくい状況にあるのかもしれない。
世界の不動産取引市場が冷え込むなか、グローバル投資家の日本市場への注目が高まっている。低金利環境や安定した賃貸市況、高い流動性など良好な投資環境が評価されて、世界における日本の不動産投資市場の存在感が増しているようだ。もっとも、今後は欧米では政策金利の引下げが実施される見通しであり、不動産取引市場に回復の兆しがみえてくるかも知れない。これに対して、国内では日銀による追加利上げが予想される。こうした金融政策の方向性の違いによって生じる影響に留意しながら、不動産取引市場の動向を注意深くモニタリングする必要がありそうだ。
■目次
・国内の不動産取引動向(2024年上半期)
・世界の不動産取引動向(2024年上半期)
・世界の注目を集める国内不動産市場。今後は金融政策の方向性の違いに留意
本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年09月11日「不動産投資レポート」)
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03-3512-1853
経歴
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
渡邊 布味子のレポート
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