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【少子化社会データ詳説】日本の未婚化を正しく解釈する-若者の希望と違った応援議論はなぜおこるのか
生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子
基礎研レポート7月24日の「【少子化社会データ詳説】日本の人口減を正しく読み解く-合計特殊出生率への誤解が招く止まらぬ少子化」において、日本の人口減少の主たる要因は出生激減を招いた婚姻数の激減であり、夫婦間の子どもの数の影響は軽微であることを解説した。
「少子化対策といえば、子育て支援の方が大切ではないのか」といった疑問を持つ読者は、上記レポートを本レポートを読まれる前に確認頂きたい。
未婚化が日本の少子化、すなわち「カップルの成立なくして、出生なし」であると解説すると「結婚応援はハラスメントにならないか」といった経営者や人事部門の方の共通の悩みをお聞きすることが少なくない。
未婚割合が急増する中で、それが本人の結婚意志とどう関係しているのか、という科学的説明(エビデンス)がないままに「ハラスメントだ」とされるならば、それは「一見、人の気持ちに寄り添っている意見のように見えても、本人の思い込みを押し付けたにすぎない」確証バイアスの典型例となる。
また、結婚応援がハラスメントというならば、子育てしたくない人がいるから子育て支援はハラスメントだ、という議論が成立するのか、よく考えてみたいところである。
多様性が確保された社会とは、その割合に関係なく、様々な希望により沿って行こうとする社会の姿勢であることを忘れてはならない。
前レポートでも述べた通り、日本はエビデンスに基づく科学的な社会現象へのアプローチが不足してきたために急速な出生減が止まらなくなっていると考えている。
今回は、日本の出生減の主因といえる未婚化と結婚意志に関して、科学的にその原因にアプローチするためのデータを解説したい。
■目次
1――未婚化の原因を決めつける確証バイアス問題
2――結婚意志の変化では婚姻数の激減を説明できない
3――目指すゴール(夫婦像)の違いが顕在化
4――未婚化の誤解:優しくありたい、その前に
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