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生活習慣病リスクを高める量の飲酒をする人の生活習慣・生活環境~男女とも食生活と関連。男性は服薬や持病、女性は同居家族と関連
保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
3――回帰の結果
女性では、年齢が高いことと、仕事内容では、事務職(一般事務、コールセンター、受付等)と比べて「営業職」「運輸・通信職」でリスクを高める飲酒をしない傾向があった。本人年収では、収入がないと回答した人と比べて、「300~700万円未満」と「1500万円以上」の収入がある人でリスクを高める飲酒をする傾向があった。生活習慣等をみると、「現在タバコを習慣的に吸っている」「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある」「朝食を抜くことが週に3回以上ある」でリスクを高める飲酒をする傾向があった。また、女性では、独身者と比べて「既婚(配偶者・パートナーあり)」「既婚(離別)」でリスクを高める飲酒をする傾向があったほか、「独居」もリスクを高める飲酒をする傾向があった。体力について、自己評価が高い人でリスクを高める飲酒をする傾向があった。
4――おわりに
図表1でも示したが、生活環境等の影響を踏まえても、男女とも年齢が高いほどリスクを高める飲酒をする傾向があった。
「現在タバコを習慣的に吸っている」「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」の男女でリスクを高める飲酒をする傾向があった。体力に自信がある人でもリスクを高める飲酒をする傾向があることを踏まえると、日々の飲酒量が生活習慣病リスクを高めるほどの量だという認識が低い可能性がある。また、「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある」「朝食を抜くことが週に3回以上ある」等、好ましいとされる食生活ではない男女でリスクを高める飲酒をする傾向があり、食生活とあわせて飲酒習慣を見直すことで効果がある可能性がある。
その他、男性では、循環器系の持病がある人や服薬している人でリスクを高める飲酒をしている傾向があったが、女性はそういった傾向が見られなかった。しかし、女性では、家族の状況との関係があり、既婚者(配偶者・パートナーあり)、離別者、あるいは独居である人でリスクを高める飲酒をする傾向があり、女性は家族の生活状況の影響を受けている可能性が考えられた。
03-3512-1783
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
(2023年09月05日「基礎研レポート」)
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