2023年07月20日

新型コロナ5類移行後の消費者行動(2)働き方編-在宅勤務低頻度層で出社が増えるが、ビジネスチャットの毎日利用は2割へ

生活研究部 上席研究員 久我 尚子

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■要旨
 
  • 6月末に実施したニッセイ基礎研究所の調査によると、20~74歳の正規雇用者では在宅勤務の利用頻度が低かった層を中心に出社や対面での会議が増えている。一方、ビジネスチャットなどのデジタルツールについては、むしろ積極的に利用する層がやや増えており、コロナ禍でテレワークの浸透とともにデジタルツールも普及してきたが、出社が増えても、利便性が高く生産性向上への貢献が期待されるツールの利用は引き続き進展しているようだ。
     
  • 年代別に見ると、20歳代や30歳代、60歳代の在宅勤務低頻度層を中心に出社や対面会議が増えているが、ビジネスチャットなどのデジタルツールについては、もともと利用率が比較的高かった若い年代では在宅勤務の減少とともに利用が減る一方、利用率の低かった高年齢層では利用がむしろ増えている。なお、20歳代や60歳代では毎日利用する高頻度増が増えている。
     
  • 地域別に見ると、近畿地方や関東地方などの在宅勤務低頻度層を中心に出社や対面での会議が増えているが、ビジネスチャットなどのデジタルツールは、在宅勤務の減少とともに利用が減る地域(中部地方など)も増える地域(近畿地方など)も、利用頻度が高まっている地域(関東地方など)もあるが、デジタルツールの導入に積極的な大企業の拠点が多い関東地方では頻度の高まりが、近畿地方では利用増加傾向がある。
     
  • この3年余りの中で事業内容や組織文化に基づいて出社と在宅勤務(リアルとデジタル)が適切なバランスに落ち着いていた組織も多かったためか、5類移行後に著しい変化があったわけではないが、在宅勤務が減り、出社頻度が高まる傾向はあった。一方、デジタルツールの利用は出社が増えても必ずしも減っておらず、働き方は元に戻るのではなく、生産性向上への貢献が期待される取り組みは進展しているようだ。
     
  • 日本では労働力不足の中で先端技術を活用した業務の自動化や効率化を進めていく必要がある。一方で最近では生成AIの飛躍的な進化で、仕事を奪われる懸念などの脅威面に注目が集まりがちであり、事実、現状では判断が難しい部分もある。一方で、未だ基本的な作業のデジタル化の段階で課題を抱える組織も少なくない。まずは、世の中に既にあるデジタルツールを活用し、生産性向上に向けた努力が必要だ。


■目次

1――はじめに~新型コロナ5類移行後の働き方は?
2――働き方の変化
 ~若者や大都市圏の在宅勤務低頻度層などで出社増、ビジネスチャット毎日利用2割
  1|全体の状況
   ~在宅勤務低頻度層を中心に出社増加、ビジネスチャット利用は週5以上の高頻度層増加
  2|年代別の状況
   ~若者と60歳代の在宅勤務低頻度層で出社増加、高年齢ほどビジネスチャット利用増加
  3|地域別の状況
   ~近畿や関東などの在宅勤務低頻度層で出社増加、大企業でビジネスチャット導入多い
3――おわりに
 ~労働力不足が続く中、AI活用も視野に入れつつ、まずは基本的な作業のデジタル化を
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生活研究部   上席研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

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レポート紹介

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