2023年07月13日

新型コロナ5類移行後の消費者行動(1)買い物・食事編-シニアほど外食や飲み会、デパートでの買い物に再開の兆し

生活研究部 上席研究員 久我 尚子

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■要旨
 
  • 20~74歳全体の「スーパー」や「デパートやショッピングモール」などのリアル店舗の利用頻度の変化を見ると、利用頻度の高い層がやや増えている。その反面、コロナ禍で利用が伸びた「ネットショッピング」や「フリマアプリ」などのデジタル手段では利用頻度の高い層がやや減っているが、特に「フリマアプリ」は普及途上段階であるために、「2カ月に1回以下」の低頻度層が大幅に増えることで利用者は増えている。
     
  • 年代別に見ると、外出控え傾向の強かったシニア層を中心にリアル店舗での買い物に積極的に向かう傾向があるが、シニアでは普及途上段階であるデジタル手段の利用も伸びている。一方、若者はデジタル手段の利用はやや控える傾向があるものの、店舗を積極的に利用するようになっているわけではないため、例えば、レジャーやイベント、ライブ、旅行などの外出を伴うコト消費へ向かっていることなどが考えられる。
     
  • 食事サービス等について見ると、「飲食店の店内での飲食」については、利用頻度がやや高まるとともに利用者もやや増えている中で「飲酒機会(外食と自宅合計)」の頻度はやや高まるとともに利用者もやや増えている。その反面、「食事のデリバリーサービス」の利用者はやや減っている。
     
  • 年代別に見ると、買い物と同様、外出控え傾向の強かったシニア層を中心に外食や飲酒が増えている。若者では増えていないが、背景には重篤化リスクの低さから5類移行前におおむね再開していたこと、また、飲酒についてはコロナ禍前から若い世代ほどソバ―キュリアス傾向が強いために、5類に移行したところで増えにくいことなどがあげられる。一方、「食事のデリバリーサービス」の利用は若い世代ほど減っているが、60歳代以上では、むしろ利用がやや増えている。
     
  • 物価高が進行し、家計負担は増しているが、今後とも外出関連の消費行動が活発化することで個人消費は堅調に推移することが期待される。一方で、現在のところ、労働者の実質賃金は前年を下回る状況が続いている(厚生労働省「毎月勤労統計」にて現金給与総額の5月速報値は▲1.2%)。今後の改善が期待されるところだが、物価上昇に対して実質賃金の伸びが劣後する状況が続けば、消費者の行動欲求が一旦、満たされた後は節約志向が色濃くあらわれる懸念があるだろう。


■目次

1――はじめに~新型コロナ5類移行で消費マインドは上向き、行動変容の状況は?
2――買い物手段の変化
 ~シニアでデパートなど店舗もネット利用も増加、若者は買い物よりコト消費へ?
  1|全体の状況
   ~デパートなど店舗利用がやや増える一方、ネットショッピングの利用頻度はやや低下
  2|年代別の状況
   ~シニアでは店舗もネットショッピングの利用も増加、若者は買い物以外のコト消費へ?
3――食事サービス等の変化
 ~シニアで外食・飲み会に再開傾向、ソバ―キュリアスな若者は飲酒増えず
  1|全体の状況
   ~外食や飲み会に再開の兆し、一方、デリバリーサービスの利用はやや減少
  2|年代別の状況
   ~シニアほど外食や飲み会再開に積極的、ソバ―キュリアスな若者は飲酒層がやや減少
4――おわりに
 ~今後の消費は実質賃金の改善が鍵、伸び悩めば節約志向が色濃くあらわれる懸念
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生活研究部   上席研究員

久我 尚子 (くが なおこ)

研究・専門分野
消費者行動、心理統計、マーケティング

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