米住宅着工・許可件数（23年4月）－着工件数は前月から増加、ほぼ市場予想並みの結果　|ニッセイ基礎研究所

1．結果の概要：住宅着工件数は市場予想並みとなった一方、許可件数は市場予想を下回る

5月17日、米国センサス局は4月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数（季節調整済、年率）は140.1万件（前月改定値：137.1万件）と142.0万件から下方修正された前月を上回ったほか、市場予想の140.0万件（Bloomberg集計の中央値）に概ね一致した（図表1、図表3）。

着工許可件数（季節調整済、年率）は141.6万件（前月改定値：143.7万件）と141.3万件から上方修正された前月、市場予想の143.0万件を下回った（図表2、図表5）。

2．結果の評価：戸建て住宅の許可件数が3ヵ月連続のプラス

住宅着工件数の伸びは前月比+2.2％（前月：▲4.5％）と前月からプラスに転じた（図表3）。戸建てが+1.6％（前月：▲0.2％）、集合住宅が+3.2％（前月：▲10.5％）といずれも前月からプラスに転じた（図表4）。

前年同月比は▲22.3％（前月：▲20.0％）と12ヵ月連続のマイナスとなったほか、6ヵ月連続で2桁のマイナスとなった。内訳をみると、集合住宅が▲11.5％（前月：+0.7％）と4ヵ月ぶりにマイナスとなったほか、戸建てが▲28.1％（前月：▲29.3％）と11ヵ月連続で2桁のマイナスとなって全体を押し下げた。

地域別寄与度（前月比）は、南部が▲3.9％ポイント（前月：+3.1％ポイント）、北東部が▲2.9％ポイント（前月：+4.6％ポイント）と前月からマイナスに転じた。一方、中西部が+3.1％ポイント（前月：▲4.0％ポイント）、西部が+5.9％ポイント（前月：▲8.2％ポイント）と前月からプラスに転じて全体を押し下げた。

先行指標である住宅着工許可件数は、前月比▲1.5％（前月：▲3.0％）と2ヵ月連続のマイナスになった（図表5）。戸建てが+3.1％（前月：+4.1％）と3ヵ月連続のプラスとなったものの、集合住宅が▲7.7％（前月：▲11.4％）と2ヵ月連続のマイナスとなって全体を押し下げた（図表6）。

前年同月比は▲21.1％（前月：▲23.4％）と前月からマイナス幅は縮小したものの、9ヵ月連続のマイナスとなった。戸建てが▲21.2％（前月：▲27.0％）と14ヵ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅も▲21.0％（前月：▲18.1％）と2ヵ月連続のマイナスとなった。

（図表5）住宅着工許可件数（伸び率）/（図表6）住宅着工許可件数前月比（寄与度）

一方、全米建設業協会（ＮＡＨＢ）による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、5月が50（前月：45）と5ヵ月連続で改善したほか、市場予想の45も上回った（図表7）。内訳は販売現況が56（前月：51）、販売見込みが57（前月：50）、客足が33（前月：31）といずれも前月から改善した。

住宅市場指数の改善や戸建ての許可件数が3ヵ月増加していることは戸建て住宅が改善する兆しを示していると言えよう。

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