- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- ユーロ圏GDP(2023年1-3月期)-大国4か国はいずれもプラス成長
2023年05月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:成長率は小幅なプラス
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様
2.結果の詳細:大国4か国はいずれもプラス成長
2023年1-3月期の成長率は前期比0.1%(年率換算0.3%)だった。22年10-12月期には小幅マイナス成長(前期比▲0.0%、年率換算▲0.2%)となったものの、すぐにプラス成長に転じた。実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月期)と比較して+2.5%の水準となっている。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(10-12月期▲0.5%)、フランス0.2%(10-12月期0.0%)、イタリア0.5%(10-12月期▲0.1%)、スペイン0.5%(10-12月期0.4%)となった。いずれの国も小幅だがプラスの成長率を記録している。
公表された9か国のうちではアイルランド(前期比▲2.7%)とオーストリア(前期比▲0.3%)のみマイナスで、7か国は前期比プラス成長となったが、プラス幅はポルトガル(前期比1.6%)を除き、0%台前半から半ばの小幅なプラスにとどまっている(図表3)。また、コロナ禍前を比較した実質GDPの水準は、大国4か国のうちドイツとスペインがコロナ禍前の水準を下回る水準で相対的に低めの位置にある(図表4)。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(10-12月期▲0.5%)、フランス0.2%(10-12月期0.0%)、イタリア0.5%(10-12月期▲0.1%)、スペイン0.5%(10-12月期0.4%)となった。いずれの国も小幅だがプラスの成長率を記録している。
公表された9か国のうちではアイルランド(前期比▲2.7%)とオーストリア(前期比▲0.3%)のみマイナスで、7か国は前期比プラス成長となったが、プラス幅はポルトガル(前期比1.6%)を除き、0%台前半から半ばの小幅なプラスにとどまっている(図表3)。また、コロナ禍前を比較した実質GDPの水準は、大国4か国のうちドイツとスペインがコロナ禍前の水準を下回る水準で相対的に低めの位置にある(図表4)。
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.0%(前期▲1.0%)、政府消費▲0.1%(前期0.5%)、投資▲0.1%(前期0.0%)、輸出1.1%(前期0.9%)、輸入▲0.6%(前期0.1%)となった(図表5)。在庫変動は前期比寄与度▲0.3%ポイント、純輸出が前期比寄与度0.6%ポイントであり、1-3月期は10-12月期に引き続き内需が弱く、外需が成長率を押し上げている。
産業別の付加価値は、工業が1.7%(前期1.2%)、建設業が▲0.4%(前期▲0.4%)、市場型サービス産業▲0.1%(前期0.0%)、非市場型サービス0.2%(前期0.0%)となった。より細かい業種では、電気・ガス・水道が前期比5.7%(前期7.3%)と高めの成長率を記録したが、輸送業の▲1.1%(前期1.2%)や事業サービスの▲0.6%(前期▲0.5%)は低迷している。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.0%(前期▲1.0%)、政府消費▲0.1%(前期0.5%)、投資▲0.1%(前期0.0%)、輸出1.1%(前期0.9%)、輸入▲0.6%(前期0.1%)となった(図表5)。在庫変動は前期比寄与度▲0.3%ポイント、純輸出が前期比寄与度0.6%ポイントであり、1-3月期は10-12月期に引き続き内需が弱く、外需が成長率を押し上げている。
産業別の付加価値は、工業が1.7%(前期1.2%)、建設業が▲0.4%(前期▲0.4%)、市場型サービス産業▲0.1%(前期0.0%)、非市場型サービス0.2%(前期0.0%)となった。より細かい業種では、電気・ガス・水道が前期比5.7%(前期7.3%)と高めの成長率を記録したが、輸送業の▲1.1%(前期1.2%)や事業サービスの▲0.6%(前期▲0.5%)は低迷している。
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲1.3%(前期1.7%)、政府消費▲1.6%(前期2.0%)、投資1.9%(前期▲3.7%)、輸出5.8%(前期▲1.0%)、輸入3.1%(前期▲4.3%)となり、個人消費は冴えない状況が続いているが、輸出や投資が成長を支えた(図表6)。産業別には、工業が0.6%(前期0.3%)、建設業が前期比2.5%(前期▲0.2%)、サービス業が前期比▲0.1%(前期0.5%)だった。より細かい業種では、卸・小売・運輸・住居・飲食の業種が前期比2.7%(前期▲0.5%)と改善が目立つ一方で、金融業が前期比▲7.2%(前期0.1%)と相対的に大きく落ち込んだ。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/20 | 英国金融政策(6月MPC公表)-金利据え置きで従来の利下げペースを維持 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/19 | ロシアGDP(2025年1-3月期)-前期比成長率でマイナスに転じる | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | ロシアの物価状況(25年5月)-インフレ圧力の軽減傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | 欧州経済見通し-回復基調だが、関税を巡る不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年07月01日
今週のレポート・コラムまとめ【6/24-6/30発行分】 -
2025年06月30日
食品ロス削減情報の比較可能性-何のための情報開示か? -
2025年06月30日
鉱工業生産25年5月-4-6月期は2四半期連続減産の可能性が高まる -
2025年06月30日
マスク着用の子どもへの影響-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月30日
米個人所得・消費支出(25年5月)-個人所得と個人消費ともに前月比で減少、市場予想も下回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【ユーロ圏GDP(2023年1-3月期)-大国4か国はいずれもプラス成長】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ユーロ圏GDP(2023年1-3月期)-大国4か国はいずれもプラス成長のレポート Topへ