2023年05月01日

ユーロ圏GDP(2023年1-3月期)-大国4か国はいずれもプラス成長

経済研究部 主任研究員 高山 武士

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1.結果の概要:成長率は小幅なプラス

4月28日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏GDPの一次速報値(Preliminary Flash Estimate)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【ユーロ圏20か国GDP(2023年1-3月期、季節調整値)】
前期比は0.1%、市場予想1(0.2%)を下回ったが、前期(▲0.1%)からプラス転換(図表1)
前年同期比は1.3%、市場予想(1.4%)を下回り、前期(1.8%)から減速した(図表2)

(図表1)ユーロ圏の実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ユーロ圏の実質GDP成長率(需要項目別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様

2.結果の詳細:大国4か国はいずれもプラス成長

2023年1-3月期の成長率は前期比0.1%(年率換算0.3%)だった。22年10-12月期には小幅マイナス成長(前期比▲0.0%、年率換算▲0.2%)となったものの、すぐにプラス成長に転じた。実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月期)と比較して+2.5%の水準となっている。

経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(10-12月期▲0.5%)、フランス0.2%(10-12月期0.0%)、イタリア0.5%(10-12月期▲0.1%)、スペイン0.5%(10-12月期0.4%)となった。いずれの国も小幅だがプラスの成長率を記録している。

公表された9か国のうちではアイルランド(前期比▲2.7%)とオーストリア(前期比▲0.3%)のみマイナスで、7か国は前期比プラス成長となったが、プラス幅はポルトガル(前期比1.6%)を除き、0%台前半から半ばの小幅なプラスにとどまっている(図表3)。また、コロナ禍前を比較した実質GDPの水準は、大国4か国のうちドイツとスペインがコロナ禍前の水準を下回る水準で相対的に低めの位置にある(図表4)。
(図表3)ユーロ圏主要国の1-3月期GDP伸び率/(図表4)主要国のGDP水準(コロナ禍前との比較)
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。

フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.0%(前期▲1.0%)、政府消費▲0.1%(前期0.5%)、投資▲0.1%(前期0.0%)、輸出1.1%(前期0.9%)、輸入▲0.6%(前期0.1%)となった(図表5)。在庫変動は前期比寄与度▲0.3%ポイント、純輸出が前期比寄与度0.6%ポイントであり、1-3月期は10-12月期に引き続き内需が弱く、外需が成長率を押し上げている。

産業別の付加価値は、工業が1.7%(前期1.2%)、建設業が▲0.4%(前期▲0.4%)、市場型サービス産業▲0.1%(前期0.0%)、非市場型サービス0.2%(前期0.0%)となった。より細かい業種では、電気・ガス・水道が前期比5.7%(前期7.3%)と高めの成長率を記録したが、輸送業の▲1.1%(前期1.2%)や事業サービスの▲0.6%(前期▲0.5%)は低迷している。
(図表5)フランスの実質GDP水準/(図表6)スペインの実質GDP水準
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲1.3%(前期1.7%)、政府消費▲1.6%(前期2.0%)、投資1.9%(前期▲3.7%)、輸出5.8%(前期▲1.0%)、輸入3.1%(前期▲4.3%)となり、個人消費は冴えない状況が続いているが、輸出や投資が成長を支えた(図表6)。産業別には、工業が0.6%(前期0.3%)、建設業が前期比2.5%(前期▲0.2%)、サービス業が前期比▲0.1%(前期0.5%)だった。より細かい業種では、卸・小売・運輸・住居・飲食の業種が前期比2.7%(前期▲0.5%)と改善が目立つ一方で、金融業が前期比▲7.2%(前期0.1%)と相対的に大きく落ち込んだ。
 
 

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経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

(2023年05月01日「経済・金融フラッシュ」)

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