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- EUのデジタルサービス法施行-欧州における違法コンテンツへの対応
2023年02月27日
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(1)違法コンテンツに関する申出の仕組み
ホスティングサービス提供者は、個人または団体が違法コンテンツであると考える特定の情報項目がホスティングサービス上に掲載されていることを提供者に対して容易かつ電子的に通知できる仕組みを導入するものとする(16条1項)。
この仕組みは十分に正確で満足できる裏付けのある通知の提出となることを可能にするものでなければならない。特に(a)個人または団体がなぜその情報が違法コンテンツであると考えたかの理由の説明、(b)違法コンテンツの電子的な所在、正確なURLや追加情報など、(c)通知を行った個人や団体の名前と電子メールのアドレス、(d)個人または団体が提出した通知に含まれる情報や主張が正確で完全であることを誠実に信じている旨の確認文言があること、といった要素が含まれるようにすべきである(16条2項)。このような要素を満たしている通知の到達により、6条において、ホスティングサービス提供者が違法コンテンツについての知識を有した又は認識したという要件を満たす(=以降は免責とはならない)ことになる(16条3項)。したがって、提供者は何らかの措置をとる必要がある。この制度のことを通知と行為メカニズム(notice and action mechanism)という(前文(50))
(2)コンテンツ削除等の通知
16条が違法コンテンツの削除やアクセス遮断を求める個人や団体に対する規定である一方、次の17条は違法コンテンツをアップロードしたサービスの受け手(投稿者)に関するものである。すなわち、ホスティングサービス提供者が、(a)サービスの受け手から投稿された特定のコンテンツを削除あるいはアクセス遮断する、(b)報酬支払いの停止、打ち切りまたは制限、(c)サービス提供の全面的又は一部停止または打ち切り、(d)アカウントの停止または打ち切りにあたっては、これらの措置よりも前に、措置を決定したことと、決定に至った明白かつ特定された理由について、サービスの受け手(投稿者)に説明しなければならない(17条)。
なお、ホスティングサービス提供者が人の生命または安全に対する犯罪行為が行われ、または行われようとしていることを認識した場合には、加盟国の法執行機関又は司法当局へ直ちに通知しなければならない(18条)。
ホスティングサービス提供者は、個人または団体が違法コンテンツであると考える特定の情報項目がホスティングサービス上に掲載されていることを提供者に対して容易かつ電子的に通知できる仕組みを導入するものとする(16条1項)。
この仕組みは十分に正確で満足できる裏付けのある通知の提出となることを可能にするものでなければならない。特に(a)個人または団体がなぜその情報が違法コンテンツであると考えたかの理由の説明、(b)違法コンテンツの電子的な所在、正確なURLや追加情報など、(c)通知を行った個人や団体の名前と電子メールのアドレス、(d)個人または団体が提出した通知に含まれる情報や主張が正確で完全であることを誠実に信じている旨の確認文言があること、といった要素が含まれるようにすべきである(16条2項)。このような要素を満たしている通知の到達により、6条において、ホスティングサービス提供者が違法コンテンツについての知識を有した又は認識したという要件を満たす(=以降は免責とはならない)ことになる(16条3項)。したがって、提供者は何らかの措置をとる必要がある。この制度のことを通知と行為メカニズム(notice and action mechanism)という(前文(50))
(2)コンテンツ削除等の通知
16条が違法コンテンツの削除やアクセス遮断を求める個人や団体に対する規定である一方、次の17条は違法コンテンツをアップロードしたサービスの受け手(投稿者)に関するものである。すなわち、ホスティングサービス提供者が、(a)サービスの受け手から投稿された特定のコンテンツを削除あるいはアクセス遮断する、(b)報酬支払いの停止、打ち切りまたは制限、(c)サービス提供の全面的又は一部停止または打ち切り、(d)アカウントの停止または打ち切りにあたっては、これらの措置よりも前に、措置を決定したことと、決定に至った明白かつ特定された理由について、サービスの受け手(投稿者)に説明しなければならない(17条)。
なお、ホスティングサービス提供者が人の生命または安全に対する犯罪行為が行われ、または行われようとしていることを認識した場合には、加盟国の法執行機関又は司法当局へ直ちに通知しなければならない(18条)。
(1)内部苦情処理システム・裁判外紛争処理機関
オンラインプラットフォーム(小規模なものを除く(19条))においては、サービスの受け手から投稿された情報が違法コンテンツまたは利用条件違反であった通知を受け取ったことによって、オンラインプラットフォーム提供者が次の(a)~(d)の決定を行った場合に、サービスの受け手(通知を行った受け手を含む)が最低6か月の間は電子的かつ無料で、内部苦情処理システムに苦情を申し立てることができるようしなければならない(20条1項)。
(a)情報の削除またはアクセス遮断、情報の可視性を制限するかどうかの決定
(b)サービスの受け手に対するサービス提供の全体または一部の停止または打ち切りをするかどうかの決定
(c)サービスの受け手のアカウントの停止または打ち切りをするかどうかの決定
(d)サービスの受け手による情報で収益化することを停止、打ち切りまたは制限するかどうかの決定
申し立てられた苦情に対して、オンラインプラットフォーム提供者は適時、差別的でなく、誠実かつ非恣意的に対処すべき(20条4項)こととされる。
内部苦情処理システムで解決することができないなどの場合に、サービスの受け手は、裁判外紛争処理手続きを選択することができる(21条1項)。サービスの受け手およびオンラインプラットフォーム提供者は、紛争処理機関に誠実に関与する。ただし紛争処理機関は強制力を有する和解を強制することはできない(同条2項)。紛争処理機関は、デジタルサービス調整担当官(Digital Service Coordinator、後述。以下、調整担当官)によって指定が行われる(同条3項)。
また、オンラインプラットフォーム提供者は「信頼できる警告者」(Trusted flaggers)から提出された通知については上述16条の手続を通じて、優先的かつ遅滞なく処理・決定されるように必要な技術上、組織上の措置を取らなければならない(22条1項)。信頼できる警告者の資格は、警告者になろうとする者(entity)からの申請に基づいて調整担当官(後述)によって授与される(同条2項)。
(2)サービス提供・苦情処理システム利用の停止
オンラインプラットフォーム提供者は、合理的な期間、かつ事前の警告を発したうえで、明白な違法コンテンツを頻繁に投稿するサービスの受け手(投稿者)に対するサービス提供を停止するものとする(23条1項)。他方で、頻繁に根拠のない苦情を通知と行動メカニズムまたは内部苦情処理システムを通じて申立ててくるサービスの受け手(苦情申し立て者)に対して事前の警告を行った後、合理的な期間において、苦情処理システムの利用等を停止しなければならない(同条2項)。
(3)半期報告の公表
オンラインプラットフォーム提供者は13条の報告に加えて、(a)裁判外紛争解決機関に提出された紛争件数、紛争解決の結果等、(b)明らかに違法なコンテンツの提供の件数、明らかに根拠のない通知の提出の件数、明らかに根拠のない苦情の提出により23条に基づき停止された件数を報告しなければならない(24条1項)。提供者は、2023年2月17日までに、およびその後少なくとも半年に一度、オンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジンごとに、過去半年間の平均として計算され、かつ、33条 (3)に基づいて定められた方法論に従って、域内における平均月間アクティブ利用者に関する情報を、そのオンラインインターフェイス上で公表しなければならない(同条2項)。
(4)スラッジの禁止
オンラインプラットフォーム提供者は、サービスの受け手を欺いたり操作したりするような方法で、またはサービスの受け手が自由で情報に基づいた意思決定を行う能力を著しく歪めたり損ねたりするような方法で、オンラインインターフェイスを設計、編成、または運用してはならない(25条)。これはスラッジと呼ばれる、行動経済学による知見を用いて、不当に意思決定を動機付けさせようとする設計を禁止するものである。
その他、オンラインプラットフォームでの広告を公告として認識させるための表記の義務付け(26条)、推奨システムに使用する主要なパラメータの開示(27条)、未成年者のプライバシー、安全およびセキュリティーを確保するための適切かつ相応の措置(28条)が規定されている。
オンラインプラットフォーム(小規模なものを除く(19条))においては、サービスの受け手から投稿された情報が違法コンテンツまたは利用条件違反であった通知を受け取ったことによって、オンラインプラットフォーム提供者が次の(a)~(d)の決定を行った場合に、サービスの受け手(通知を行った受け手を含む)が最低6か月の間は電子的かつ無料で、内部苦情処理システムに苦情を申し立てることができるようしなければならない(20条1項)。
(a)情報の削除またはアクセス遮断、情報の可視性を制限するかどうかの決定
(b)サービスの受け手に対するサービス提供の全体または一部の停止または打ち切りをするかどうかの決定
(c)サービスの受け手のアカウントの停止または打ち切りをするかどうかの決定
(d)サービスの受け手による情報で収益化することを停止、打ち切りまたは制限するかどうかの決定
申し立てられた苦情に対して、オンラインプラットフォーム提供者は適時、差別的でなく、誠実かつ非恣意的に対処すべき(20条4項)こととされる。
内部苦情処理システムで解決することができないなどの場合に、サービスの受け手は、裁判外紛争処理手続きを選択することができる(21条1項)。サービスの受け手およびオンラインプラットフォーム提供者は、紛争処理機関に誠実に関与する。ただし紛争処理機関は強制力を有する和解を強制することはできない(同条2項)。紛争処理機関は、デジタルサービス調整担当官(Digital Service Coordinator、後述。以下、調整担当官)によって指定が行われる(同条3項)。
また、オンラインプラットフォーム提供者は「信頼できる警告者」(Trusted flaggers)から提出された通知については上述16条の手続を通じて、優先的かつ遅滞なく処理・決定されるように必要な技術上、組織上の措置を取らなければならない(22条1項)。信頼できる警告者の資格は、警告者になろうとする者(entity)からの申請に基づいて調整担当官(後述)によって授与される(同条2項)。
(2)サービス提供・苦情処理システム利用の停止
オンラインプラットフォーム提供者は、合理的な期間、かつ事前の警告を発したうえで、明白な違法コンテンツを頻繁に投稿するサービスの受け手(投稿者)に対するサービス提供を停止するものとする(23条1項)。他方で、頻繁に根拠のない苦情を通知と行動メカニズムまたは内部苦情処理システムを通じて申立ててくるサービスの受け手(苦情申し立て者)に対して事前の警告を行った後、合理的な期間において、苦情処理システムの利用等を停止しなければならない(同条2項)。
(3)半期報告の公表
オンラインプラットフォーム提供者は13条の報告に加えて、(a)裁判外紛争解決機関に提出された紛争件数、紛争解決の結果等、(b)明らかに違法なコンテンツの提供の件数、明らかに根拠のない通知の提出の件数、明らかに根拠のない苦情の提出により23条に基づき停止された件数を報告しなければならない(24条1項)。提供者は、2023年2月17日までに、およびその後少なくとも半年に一度、オンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジンごとに、過去半年間の平均として計算され、かつ、33条 (3)に基づいて定められた方法論に従って、域内における平均月間アクティブ利用者に関する情報を、そのオンラインインターフェイス上で公表しなければならない(同条2項)。
(4)スラッジの禁止
オンラインプラットフォーム提供者は、サービスの受け手を欺いたり操作したりするような方法で、またはサービスの受け手が自由で情報に基づいた意思決定を行う能力を著しく歪めたり損ねたりするような方法で、オンラインインターフェイスを設計、編成、または運用してはならない(25条)。これはスラッジと呼ばれる、行動経済学による知見を用いて、不当に意思決定を動機付けさせようとする設計を禁止するものである。
その他、オンラインプラットフォームでの広告を公告として認識させるための表記の義務付け(26条)、推奨システムに使用する主要なパラメータの開示(27条)、未成年者のプライバシー、安全およびセキュリティーを確保するための適切かつ相応の措置(28条)が規定されている。
(1)業者情報の受領・提供
オンラインプラットフォーム提供者は、業者から事前に、(a)住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、(b)IDのコピー、(c)業者の支払口座の詳細、(d)商業登記簿登録番号、(e)EU準拠商品のみを販売するという自己証明書を得なければ、オンラインプラットフォームサービスを利用して販売促進を行い、あるいは消費者に製品やサービスを提供することはできない(30条1項)。
オンラインプラットフォーム提供者は法令に沿って加盟国の管轄当局又は欧州委員会による命令を含む、適用される法に従ってのみ第三者に対して情報を提供するものとする(同条6項)。また、上記(a)、(d)、(e)の情報については情報が掲載されているオンラインプラットフォームのインターフェイスに乗せて、サービスの受け手が知りうるようにしなければならない(同条7項)。
(2)インターフェイスの設計
オンラインプラットフォーム提供者は、そのオンラインインターフェイスが、適用される欧州規則に基づく契約前情報、コンプライアンスおよび製品安全情報に関する義務を業者が遵守できるように設計され、整理されていることを確保するものとする(31条)。
(3)消費者への通知
オンラインプラットフォームの提供者は、使用される手段にかかわらず、業者がそのサービスを通じて域内に所在する消費者に違法な製品又はサービスを提供したことを知った場合には、その提供者は、その連絡先がある限りにおいて、違法な製品又はサービスを購入した消費者に対し、(a)違法な商品・サービスであること、(b)トレーダーの身元、および(c)関連する救済手段を通知しなければならない(32条)。
オンラインプラットフォーム提供者は、業者から事前に、(a)住所、氏名、電話番号、電子メールアドレス、(b)IDのコピー、(c)業者の支払口座の詳細、(d)商業登記簿登録番号、(e)EU準拠商品のみを販売するという自己証明書を得なければ、オンラインプラットフォームサービスを利用して販売促進を行い、あるいは消費者に製品やサービスを提供することはできない(30条1項)。
オンラインプラットフォーム提供者は法令に沿って加盟国の管轄当局又は欧州委員会による命令を含む、適用される法に従ってのみ第三者に対して情報を提供するものとする(同条6項)。また、上記(a)、(d)、(e)の情報については情報が掲載されているオンラインプラットフォームのインターフェイスに乗せて、サービスの受け手が知りうるようにしなければならない(同条7項)。
(2)インターフェイスの設計
オンラインプラットフォーム提供者は、そのオンラインインターフェイスが、適用される欧州規則に基づく契約前情報、コンプライアンスおよび製品安全情報に関する義務を業者が遵守できるように設計され、整理されていることを確保するものとする(31条)。
(3)消費者への通知
オンラインプラットフォームの提供者は、使用される手段にかかわらず、業者がそのサービスを通じて域内に所在する消費者に違法な製品又はサービスを提供したことを知った場合には、その提供者は、その連絡先がある限りにおいて、違法な製品又はサービスを購入した消費者に対し、(a)違法な商品・サービスであること、(b)トレーダーの身元、および(c)関連する救済手段を通知しなければならない(32条)。
具体的には4500万人以上の月間アクティブユーザーがいるオンラインプラットフォーム等が指定され、規制が適用される(33条1項)。特に大きなオンラインプラットフォーム等は、欧州委員会が各国の調整担当官との協議の上、指定する(同条4項)。
(1)システミックリスクの特定・分析・評価・抑制措置
特に大きなオンラインプラットフォーム等は、指定後、一年に最低一回は重要なシステミックリスクを特定、分析、評価しなければならない(34条1項)。システミックリスクには以下のものを含む。
(a)サービスを通じた違法コンテンツの流布
(b)人間の尊厳、個人的・家族生活への尊重、個人情報保護、メディアの自由と多元性を含む表現と情報の自由、差別禁止、子どもの権利、高水準の消費者保護といった基本的な権利行使に与える現実あるいは予測可能な悪影響
(c)市民の言説と選挙プロセス、および治安に対する実際のまたは予測可能な悪影響
(d)ジェンダーに基づく暴力、公衆衛生及び未成年者の保護並びにその者の身体的及び精神的健康に対する重大な悪影響に関連する実際の又は予見可能な悪影響
リスク評価を実施する際、特に大規模なオンラインプラットフォーム等の提供者は、特に、以下の要因が1項で言及されているシステミックリスクのいずれかに影響を及ぼすか否か及びどのように影響するかを考慮しなければならない(同条2項)。
(a)推奨システムおよびその他の関連するアルゴリズムシステムの設計
(b)提供者のコンテンツ修正システム
(c)適用約款及びその執行
(d)広告の選択・提示システム
(e)提供者のデータ関連の実務
特に大きなオンラインプラットフォームは、これらのリスクを抑制するために、オンラインインターフェイスなどのデザイン、特徴、機能を適応させることなどをはじめとした、合理的で比例的、かつ効果的な措置を取らなければならない(35条)。
(2)危機発生時の対応
危機が発生したときには、欧州委員会は理事会の勧告に基づき、(a)そのサービスおよび利用が重大な脅威に著しく寄与しているか否か、寄与しているとすればどの程度か、寄与している可能性があるかどうか評価すること、(b)上記(a)によって特定された深刻な危機への寄与を防止又は制限するために、具体的、効果的かつ均衡ある措置を特定し、適用すること、(c)評価及びとられた措置その他の問題について定期的に報告することを求める決定をすることができる(36条)。
そのほか、特に大きなオンラインプラットフォームでは独立監査(37条)、レコメンドシステム(お勧め)の透明性確保(38条)、表示されたオンライン広告のリポジトリ化(=広告に関するデータの格納・開示)(39条)、調整担当官および欧州委員会によるデータアクセス確保(40条)、コンプライアンス担当役員任命(41条)、6か月ごとの情報開示(42条)、欧州委員会への監督料の支払い(43条)といった義務が定められている。
(1)システミックリスクの特定・分析・評価・抑制措置
特に大きなオンラインプラットフォーム等は、指定後、一年に最低一回は重要なシステミックリスクを特定、分析、評価しなければならない(34条1項)。システミックリスクには以下のものを含む。
(a)サービスを通じた違法コンテンツの流布
(b)人間の尊厳、個人的・家族生活への尊重、個人情報保護、メディアの自由と多元性を含む表現と情報の自由、差別禁止、子どもの権利、高水準の消費者保護といった基本的な権利行使に与える現実あるいは予測可能な悪影響
(c)市民の言説と選挙プロセス、および治安に対する実際のまたは予測可能な悪影響
(d)ジェンダーに基づく暴力、公衆衛生及び未成年者の保護並びにその者の身体的及び精神的健康に対する重大な悪影響に関連する実際の又は予見可能な悪影響
リスク評価を実施する際、特に大規模なオンラインプラットフォーム等の提供者は、特に、以下の要因が1項で言及されているシステミックリスクのいずれかに影響を及ぼすか否か及びどのように影響するかを考慮しなければならない(同条2項)。
(a)推奨システムおよびその他の関連するアルゴリズムシステムの設計
(b)提供者のコンテンツ修正システム
(c)適用約款及びその執行
(d)広告の選択・提示システム
(e)提供者のデータ関連の実務
特に大きなオンラインプラットフォームは、これらのリスクを抑制するために、オンラインインターフェイスなどのデザイン、特徴、機能を適応させることなどをはじめとした、合理的で比例的、かつ効果的な措置を取らなければならない(35条)。
(2)危機発生時の対応
危機が発生したときには、欧州委員会は理事会の勧告に基づき、(a)そのサービスおよび利用が重大な脅威に著しく寄与しているか否か、寄与しているとすればどの程度か、寄与している可能性があるかどうか評価すること、(b)上記(a)によって特定された深刻な危機への寄与を防止又は制限するために、具体的、効果的かつ均衡ある措置を特定し、適用すること、(c)評価及びとられた措置その他の問題について定期的に報告することを求める決定をすることができる(36条)。
そのほか、特に大きなオンラインプラットフォームでは独立監査(37条)、レコメンドシステム(お勧め)の透明性確保(38条)、表示されたオンライン広告のリポジトリ化(=広告に関するデータの格納・開示)(39条)、調整担当官および欧州委員会によるデータアクセス確保(40条)、コンプライアンス担当役員任命(41条)、6か月ごとの情報開示(42条)、欧州委員会への監督料の支払い(43条)といった義務が定められている。
6|自主規制基準などの制定
欧州委員会は理事会に諮問し、16条に規定する通知と行動メカニズムの通知などに関する自主的な規格の策定を支援し、促進する(44条)。
また、欧州委員会及び理事会は、特に競争及び個人データの保護に関するEU法に従い、異なる種類の違法な内容及びシステミックリスクに対処するという具体的な課題を考慮しつつ、DSAの適切な適用に貢献するため、EUレベルでの自主的行動規範の作成を奨励し、促進するものとする(45条)。
そのほかにも欧州委員会は、オンライン広告のバリューチェーンの関係者のさらなる透明性に貢献するために、EUレベルでの自発的行動規範の作成を奨励し、促進するものとする(46条)。欧州委員会は、完全かつ効果的で平等な参加(アクセシビリティ)を促進するために、EUレベルでの行動規範の作成を奨励し、促進する(47条)。また欧州委員会は理事会からの勧告を受けた場合には、危機管理手順書を作成する(48条)。
欧州委員会は理事会に諮問し、16条に規定する通知と行動メカニズムの通知などに関する自主的な規格の策定を支援し、促進する(44条)。
また、欧州委員会及び理事会は、特に競争及び個人データの保護に関するEU法に従い、異なる種類の違法な内容及びシステミックリスクに対処するという具体的な課題を考慮しつつ、DSAの適切な適用に貢献するため、EUレベルでの自主的行動規範の作成を奨励し、促進するものとする(45条)。
そのほかにも欧州委員会は、オンライン広告のバリューチェーンの関係者のさらなる透明性に貢献するために、EUレベルでの自発的行動規範の作成を奨励し、促進するものとする(46条)。欧州委員会は、完全かつ効果的で平等な参加(アクセシビリティ)を促進するために、EUレベルでの行動規範の作成を奨励し、促進する(47条)。また欧州委員会は理事会からの勧告を受けた場合には、危機管理手順書を作成する(48条)。
(2023年02月27日「基礎研レポート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1866
経歴
- 【職歴】
1985年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所 内部監査室長兼システム部長
2015年4月 生活研究部部長兼システム部長
2018年4月 取締役保険研究部研究理事
2021年4月 常務取締役保険研究部研究理事
2025年4月より現職
【加入団体等】
東京大学法学部(学士)、ハーバードロースクール(LLM:修士)
東京大学経済学部非常勤講師(2022年度・2023年度)
大阪経済大学非常勤講師(2018年度~2022年度)
金融審議会専門委員(2004年7月~2008年7月)
日本保険学会理事、生命保険経営学会常務理事 等
【著書】
『はじめて学ぶ少額短期保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2024年02月
『Q&Aで読み解く保険業法』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2022年07月
『はじめて学ぶ生命保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2021年05月
松澤 登のレポート
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2025/04/18 | 資金決済法の改正案-デジタルマネーの流通促進と規制強化 | 松澤 登 | 基礎研レポート |
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