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景気ウォッチャー調査(23年1月)~現状判断DIは前月からほぼ横ばいも、新型コロナの5類変更への期待示される
山下 大輔
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1.現状判断DIは前月からわずかに低下、先行き判断DIは2か月連続で上昇
1月調査では、新型コロナの感染者数が減少傾向にあることやウィズコロナの進展、インバウンド需要などの好材料がありつつも、物価上昇による影響などから、現状判断DIはほぼ横ばいとなった。
他方、先行き判断DIについては、5月に予定される新型コロナの感染症法上の分類変更を契機とした消費回復、インバウンド需要の更なる増加、円安の落ち着きに伴う生産コスト高騰の緩和への期待などから、2か月連続で上昇した。
今後も、インバウンド需要の増加等の好材料はありつつも、物価上昇による影響で景況感が大きく回復しない状況がしばらく続くと見込まれる。
2.景気の現状判断DI:製造業が悪化
- 3か月前は10月11日から全国旅行支援がスタートして段々と客が増え良くなっていた。1月になって全国旅行支援が縮小されたこともあるが、一般客は既にキャンペーンを利用したためか少し飽きている感があり、3か月前と比べてやや悪くなっている。キャンペーン疲れというか飽きられてきた様子がみられる。(東海・観光型ホテル)
- 初売りは数年ぶりににぎわい、前年を大きく超える結果につながったが瞬間的なものであった。不要不急の買物を自粛する動きは年末から続いており、物価高騰の生活への影響が日増しに大きくなっている。(東北・百貨店)
- 物価高に加えて電気料金の値上がりでかなり厳しい状況が見込まれる。(北海道・美容室)
- 小売業や宿泊サービス業においては、中国人観光客の来日が待たれる状況ではあるが、インバウンド消費が回復基調で推移している。自動車製造業においては、依然不安定な状況にはあるものの、生産状況に改善がみられる。(九州・金融業)
- 例年同様に晴れの日が多く、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあり、外出や遠出をする人が徐々に増加傾向にある。今月の売上は、前年を上回る状況となっている。(東海・不動産業)
- 賃上げの必要性から、取引先に対して値上げ交渉を行っているが、例年よりも交渉がスムーズに進んでいる。(北海道・その他サービス業)
- 法人に関しては値上げもでき、需要も増えてきているが、一般の客は必要最低限の品物しか買ってくれず、ついで買いも少なくなっている。(南関東・食料品製造業)
3.景気の先行き判断DI:全般的に上昇
- 新型コロナウイルスの5類感染症への移行や、中国からの訪日客の増加などによる、宿泊需要の増加が予想される。(近畿・高級レストラン)
- 新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行すれば、消費は更に活発になる。(中国・一般小売店)
- 施工単価や金利の上昇が今後も考えられるなかでも、住宅の購入意欲やリフォームの要望は強いようである。好機と考える人が、行動に移している。(北陸・住宅販売会社)
- 住宅購入の後押しとなる要因はないが、新型コロナウイルス感染症の規制緩和の影響で、来場者数が増加するとみている。(東北・その他住宅)
- 世界的な受注は確保されているので、半導体不足が解消されれば高稼働になる。人材確保が課題である。(北関東・輸送用機械器具製造業)
- 自動車メーカーの部品調達不足も徐々に解消方向に向かっており、増産に向けて動き始めている。(南関東・輸送用機械器具製造業)
- 値上げが続くなか、極端な円安の調整は進んでおり、輸入原料のコストが低下することから、利益が確保できるとともに、賃金も上昇すると予想される。(四国・食料品製造業)
- 例年どおり、年度末に向けて一定数の案件は増えてきている。円安の動きも落ち着きを取り戻しつつあり、今後は徐々に利益も回復すると予想している。(九州・家具製造業)
- 我が国にとっては厳しい円高が20年ほど続き、国内の産業は空っぽになったが、円安状態が長く続けば国内回帰が起こり再び活性化する。新製品の引き合いもきており、より高度な開発が要求されるため一層の努力が必要である(東海・その他非製造業)
- 円安の影響により仕入先を海外から国内に切り替えた卸売業者からの依頼で売上が増加し、この先も増加する見込みである(四国・パルプ・紙・紙加工品製造業)
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(2023年02月08日「経済・金融フラッシュ」)
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