2022年12月28日

気候変動指数の地点拡大-日本版の気候指数を拡張してみると…

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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2|15地点では、浜田、境、銚子、石垣島の合成指数が高かった

(1) 網走
網走
網走の合成指数は、2000年代以降0.5~1.0程度で推移しており、2017年には1を超える時期もあった。2022年夏季には0.62となっている。高温の指数は2021年に1を超えている。海面水位の指数は、2017年に1.5を大きく上回っていたが、その後低下している。

(2) 根室
根室
根室の合成指数は、2000年代にはゼロ近辺で推移していた。その後徐々に上昇し、2013年には0.5を超え、2022年夏季には0.67となっている。特に、高温の指数は上昇を続け、1を上回って推移している。

(3) 寿都
寿都
寿都の合成指数は、2010年代半ばまで徐々に上昇した後やや低下した。しかし、2020年代に再び騰勢に転じて、2022年夏季には0.99となっている。高温は1を超えて推移している。近年、降水が1に迫る上昇を見せている点が特徴的と言える。

(4) 山形
山形
山形の合成指数は、2000年代以降0.5前後で推移しており、2022年夏季には0.63となっている。特に、高温の指数は2019年に1を超えており、近年は1.5に迫っている。他の観測地点に比べると気候変動の極端さの進行は緩やかと見ることができる。

(5) 石巻
石巻
石巻の合成指数は、2000年代以降緩やかに上昇しており、2022年夏季には0.62となっている。高温の指数は2020年に1を超えて推移している。降水がゼロ近辺にとどまっていることで、合成指数の上昇が抑えられている。

(6) 伏木
伏木
伏木の合成指数は、2000年代以降0.5前後で推移しており、2022年夏季には0.71となっている。高温の指数が1を超えているものの、他の観測地点に比べると気候変動の極端さの進行は緩やかと見ることができる。

(7) 飯田
飯田
飯田の合成指数は、2000年代以降0.5前後で推移してきた。2010年代後半には徐々に上昇して、2022年夏季には0.96となっている。高温が1.5に迫るとともに、降水が0.5近辺で推移しており、合成指数の上昇要因となっている。風の指数は、2002年より観測方法が変更されており、急上昇して6.5に迫っている。

(8) 銚子
銚子
銚子の合成指数は、徐々に上昇しており、2020年には1を上回り、2022年夏季には1.34となっている。特に、高温の指数は2を超えており、上昇の勢いが高まっている。また、降水も0.5を上回っており、合成指数上昇の要因となっている。

(9) 境
境
境の合成指数は、2012年に1を超え、2020年には1.5を上回った。2022年夏季には1.76となっている。高温も同様な水準となっている。海面水位の指数は、4に迫る水準となっており、合成指数の上昇原因となっている。
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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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