- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 公的年金 >
- 現行制度を放置すると低所得会社員ほど大幅な年金カットに~年金改革ウォッチ 2022年11月号
現行制度を放置すると低所得会社員ほど大幅な年金カットに~年金改革ウォッチ 2022年11月号
保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫
このレポートの関連カテゴリ
1 ―― 先月までの動き
○社会保障審議会 年金部会
10月25日(第1回) 部会長等の選出、経済前提に関する専門委員会の設置、経緯の確認等
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_221025doc.html (資料)
*1 当初から、議題については変更が生じる場合があることが示されていた。
2 ―― ポイント解説:基礎年金の水準低下の問題・影響・原因・対策・効果
基礎年金は自営業等のOBだけでなく年金受給者全員が受け取るため、基礎年金の水準低下は会社員OBにも影響する。
この問題の原因は、年金財政の構造にある。
この問題を根本的に解決するには、給付水準の引下げ停止を、国民年金財政と厚生年金財政のそれぞれで判断する仕組みから、公的年金全体で一括して判断する仕組みへ変更する必要がある。最近話題になっている厚労省が2020年12月に示した試案(調整期間の一致)は、この変更に相当する(図表4)*3。
*3 厚労省が年金数理部会へ提出した「追加試算」。同資料p.1の注1には「本試算(①、②、③)では、国民年金と厚生年金を合わせて、概ね100年間の収支均衡を図ることができるよう、基礎年金と報酬比例に共通するマクロ経済スライドの調整期間を設定し、…試算。」という記載(下線は筆者が付記)があり、公的年金全体で給付水準の引下げ停止を判断したことがうかがわれる。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
(2022年11月01日「保険・年金フォーカス」)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月17日
マレーシア経済:24年1-3月期の成長率は前年同期比+4.2%~堅調な個人消費と輸出の回復により成長加速 -
2024年05月17日
韓国政府と医療界が医学部の入学定員増案で対立、医療空白が長期化-日本の事例を参考に事態の解決を- -
2024年05月17日
2024・2025年度経済見通し(24年5月) -
2024年05月17日
米住宅着工・許可件数(24年4月)-着工件数は前月から増加も市場予想を下回る -
2024年05月17日
女性の「定年」への意識~「中高年女性会社員の管理職志向とキャリア意識等に関する調査~『一般職』に焦点をあてて~」より(7)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【現行制度を放置すると低所得会社員ほど大幅な年金カットに~年金改革ウォッチ 2022年11月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
現行制度を放置すると低所得会社員ほど大幅な年金カットに~年金改革ウォッチ 2022年11月号のレポート Topへ