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- ユーロ圏消費者物価(22年6月)-前年比伸び率はさらに拡大し、8.6%に
2022年07月04日
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1.結果の概要:8.6%でまたも最も高い伸び率を更新
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:コアは減速したが、エネルギーと飲食料が大幅に加速
22年6月のHICP上昇率(前年同月比)は全体で8.6%となり、5月の8.1%からさらに大幅に加速し、統計データ公表以来の最も高い伸び率を更新した。一方、「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」も3.7%と5月(3.8%)からやや減速している。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が4月3.8%→5月4.2%→6月4.3%とやや加速する一方、「サービス」(エネルギーを除く)は4月3.3%→5月3.5%→6月3.4%とやや減速した。ウエイトが大きいサービスの減速のためにコア部分も減速した形となったが、サービスも3%超という高い伸び率が続いている(図表3)。
品目別には5月までのデータとなるが、娯楽業が3月3.1%→4月3.6%→5月3.6%、外食・宿泊業が3月5.1%→4月5.9%→5月7.1%と対面サービス産業の伸び率が高めで推移している。5月は特に飲食・宿泊業の加速が目立つ。また、光熱費(4月15.9%→5月16.3%)や輸送(4月13.0%→5月14.0%)がエネルギー価格高騰の影響で2桁の伸び率が続いているほか、家具も3月4.2%→4月5.0%→5月5.9%と5月は加速が顕著になっている。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で4月37.5%→5月39.2%→6月41.9%と加速を続け、3月(44.3%)以来の40%超の上昇率を記録した。6月は前月比でも3.3%(5月は1.9%)と加速し、水準は3月のピークを超えた(図表3)。前年同期比の寄与度では4.06%ポイント程度(5月は3.87%ポイント)となっている(前掲図表1)。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が4月3.8%→5月4.2%→6月4.3%とやや加速する一方、「サービス」(エネルギーを除く)は4月3.3%→5月3.5%→6月3.4%とやや減速した。ウエイトが大きいサービスの減速のためにコア部分も減速した形となったが、サービスも3%超という高い伸び率が続いている(図表3)。
品目別には5月までのデータとなるが、娯楽業が3月3.1%→4月3.6%→5月3.6%、外食・宿泊業が3月5.1%→4月5.9%→5月7.1%と対面サービス産業の伸び率が高めで推移している。5月は特に飲食・宿泊業の加速が目立つ。また、光熱費(4月15.9%→5月16.3%)や輸送(4月13.0%→5月14.0%)がエネルギー価格高騰の影響で2桁の伸び率が続いているほか、家具も3月4.2%→4月5.0%→5月5.9%と5月は加速が顕著になっている。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で4月37.5%→5月39.2%→6月41.9%と加速を続け、3月(44.3%)以来の40%超の上昇率を記録した。6月は前月比でも3.3%(5月は1.9%)と加速し、水準は3月のピークを超えた(図表3)。前年同期比の寄与度では4.06%ポイント程度(5月は3.87%ポイント)となっている(前掲図表1)。
国別のHICP上昇率では、5月は前年同月比で19か国中17か国が加速、9か国が2桁の伸び率を記録した(図表5)。また、前月比では19か国中17か国がプラスの伸び率となった(図表6)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年07月04日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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