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- 景気ウォッチャー調査(22年5月)~飲食、サービスを中心に、現状判断DI、先行き判断DIともに改善
1.現状判断DIは3か月連続で改善、先行き判断DIも4か月連続で改善
2.景気の現状判断DI:飲食、サービス関連が大きく改善
現状判断DIの内訳について、家計動向関連は53.8(前月差4.2ポイント、3か月連続の改善、昨年12月以来の50超え)、企業動向関連は50.4(同3.0ポイント、3か月連続の改善、昨年12月以来の50超え)、雇用関連は62.9(同0.3ポイント、4か月連続の改善)と、全てで改善した。とりわけ、雇用関連の好調さが目立っており、DIの数値は2014年1月(62.6)頃と同程度となっている。
<雇用の好調さに言及した回答者の主なコメント>
・新型コロナウイルスで苦しんでいた業種にも光が差し込んでおり、新型コロナウイルス発生前ほどではないが、採用活動が活発化している。旅行業など、新卒採用にいまだ慎重な業種もあるが、平均的にどの業種も採用意欲が高くなっている(北海道・学校)
・各社共に採用人数が増えてきているが、採用にかなり苦戦しているようである。求職者にしてみれば完全に売手市場である(南関東・求人情報誌)
・学生の採用動向は、ITに関連する技術者の人材不足が顕著で、IT関連人材の採用数も多い。高等専門学校の学生は特に人気が高く、即戦力になる点が評価されている。求人数は、今後も増える見込みである(九州・新聞社)
<飲食の好調さに言及した回答者の主なコメント>
・5月は、ゴールデンウィークを中心に県内外で外出が増え、それに伴い外食等も増え、繁華街の人出が多くなっている。そのためゴールデンウィーク後に若干新型コロナウイルスの感染が拡大した。しかし、以前とは異なり人の動きは止まらず、継続的に週末を中心に外出の機会が増え、外出する人も増えている(北陸・一般レストラン)
・新型コロナウイルス感染者は一定数いるが、外食する人が増え、販売量は回復している。観光需要も増加し、景気対策の効果が出ている(九州・酒卸売)
<サービスの好調さに言及した回答者の主なコメント>
・ゴールデンウィークの客の取り込みは新型コロナウイルス発生前をほうふつとさせるものだった。スポーツの世界大会開催にかかわる特需期間もあり、5月は良い成果を上げられている(南関東・都市型ホテル)
・一般客、ツアー客共に大幅に増加している。特に、ゴールデンウィークは新型コロナウイルス前に匹敵する来場者となっている(甲信越・観光名所)
<原油や原材料価格の高騰、円安、物価上昇に関連した回答者の主なコメント>
・小売の現場では食品の値上げが増えてきており、需要の減少につながっている。家庭用品も4月の家庭紙を手始めに、原料、物流コストの上昇を理由に値上げが続いている(東海・スーパー)
・全ての仕入価格が上昇しており、この先更に上昇機運にあるため、価格転嫁のタイミングが難しい(南関東・精密機械機器製造業)
・上海のロックダウンやロシアのウクライナ侵攻などで客の部材調達が難しくなり、当社の受注に影響が出ている(九州・電気機械機器製造業)
1 KH Coderによる対応分析を実施。
3.景気の先行き判断DI:先行きへの期待強まる
<住宅の悲観的な先行きに言及した回答者の主なコメント>
・住宅価格の高止まりが顕著になっている。今後世界的にインフレ抑制のため金利の上昇傾向が進めば、我が国もいやおうなしに金利が上昇傾向になると考える。そのときは近づいてきており、それまでにできるだけ受注して乗り越えられるよう取り組みたい。(北陸・住宅販売会社)
・世界情勢、コロナ禍の影響やウッドショック等により建築費が高騰しており、住宅関連の動きが鈍くなるとみている。(沖縄・住宅販売会社)
<原材料高騰や円安、値上げに関する主なコメント>
・製品原価の高騰で、店頭陳列品のほぼ全てが値上げとなっている。しかも、現在の在庫完売後の次の入荷が未定の状況である。ウクライナ情勢や中国のロックダウン及び半導体不足等が影響し、供給が圧倒的に不足している。(九州・家電量販店)
・資機材高騰局面が継続しており、ウクライナ情勢に起因した資機材価格への悪影響が更に大きくなる見通しである。特に民間発注案件では資機材価格の高騰分を請負価格に転嫁する交渉が難航するケースがみられ、プロジェクトベースで採算が悪化する可能性が高い。(東北・建設業)
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山下 大輔
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(2022年06月08日「経済・金融フラッシュ」)
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