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中国経済の見通し-岐路に立つコロナ政策、22年は4.2%と予想も、下方リスクが燻ぶり、ポジティブ・サプライズもあり得て、目が離せない

三尾 幸吉郎
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- 中国では株価が下落し人民元が売られるなど中国売りの動きが加速してきた。その背景にはダイナミック・ゼロコロナ政策(dynamic zero-COVID strategy)を維持するのか、それともゼロコロナ政策に逆戻りするか見通せないという不安感がある。そして、中国政府は今後のコロナ政策をどのように舵取りするのか、重大な岐路に立たされている。
- 22年1-3月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比4.8%増と1年ぶりに前四半期(同4.0%増)を上回り、中国経済には持ち直しの兆しが見られた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波が襲来し、上海市が事実上の都市封鎖(ロックダウン)を実施したため、4月には失速することとなった。
- 需要別に見てもほぼ同様に、1-2月期に底打ちしたかに見えた小売売上高は3月以降に再び減速した。投資も3月以降に急ブレーキが掛かり、不動産開発投資が水面下に沈んだのに加えて、インフラ投資や製造業投資にも陰りがでてきた。さらに3月まで好調を維持していた輸出も4月には減速するなど暗雲が立ち込めてきている。
- 5月には「復工復産(職場復帰・生産再開)」が始まり、6月にはさらに正常化が進む見込みで、4-6月期の実質成長率は同2%前後と見ている。その後も散発的な感染拡大が起きるものの、カギを握る中核都市でのロックダウンは回避できると見ていることから、22年の実質成長率は前年比4.2%増、23年は反動増もあって同6.6%増と予想している。(下図表)。
- 下方リスクとしては、(1)上海のような中核都市でのロックダウン再発、(2)ロシアに対する経済制裁が中国にも波及、(3)党大会に向けた権力闘争の激化が挙げられる。一方、ポジティブ・サプライズとしては、(1)地方特別債の追加発行、(2)COVID-19を季節性インフルエンザと同じように扱うと宣言、(3)不動産規制緩和とそれに伴う大幅利下げが挙げられる。
(2022年05月27日「Weekly エコノミスト・レター」)
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