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1ドル130円接近、円安進行に歯止めはかかるか?~マーケット・カルテ5月号
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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今後も円安基調が続く可能性が高い。インフレ抑制を急ぐFRBは5月に利上げペースを加速し、資産圧縮も開始する見込みだ。日米の金融政策の違いがさらに際立ち、円安圧力になるだろう。また、実需の円売りをもたらしている原油高についてもロシア産原油離れによる構造的な需給逼迫懸念が背景にあるだけに、是正される見込みは乏しい。 円買い介入実施の可能性は排除できないが、米国の協力を得られそうにないだけに、実施しても効果は限られるだろう。つまり、今後も積極的に円を買う理由は見当たらない。利上げ進捗による米景気減速懸念や米物価上昇鈍化観測が台頭すれば、ドル高が抑制されることで円安に歯止めがかかると見るが、時間がかかりそうだ。従って、ドル円は近く130円を突破し、3か月後も現在より円安に留まると見ている。
今月に入り、ユーロは利上げで先行する米国のドルに対して売られたものの、円売りの勢いが勝ったことでユーロ円は上昇し、足元では139円台前半にある。今後もウクライナ情勢の緊迫化によるユーロ圏経済の減速懸念がユーロの重荷となるが、緩和の終了とその先の利上げを見据えるECBと緩和継続を掲げる日銀の姿勢の差は明確であり、ユーロの支援材料になる。3ヵ月後の水準は現状比でやや円安ユーロ高と予想している。
今月の長期金利は利上げ観測に伴う米金利上昇を受けて上昇し、足元では0.2%台半ばにある。許容幅の上限に達したため、本日、日銀は指し値オペを実施して金利を抑制した。今後も米金利上昇に伴う金利上昇圧力は続くとみられるが、緩和継続を掲げる日銀は0.25%超への上昇を許容せず、指し値オペ等で抑制を図るだろう。従って、3か月後の水準は現状比横ばいの0.2%台半ばと見込んでいる。
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(2022年04月20日「基礎研マンスリー」)
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