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- 貿易統計22年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.2%程度のマイナスに
2022年04月20日
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1.原油高の影響で大幅な貿易赤字が続く
財務省が4月20日に公表した貿易統計によると、22年3月の貿易収支は▲4,124億円の赤字となり、事前の市場予想(QUICK集計:▲1,008億円、当社予想は▲1,301億円)を下回る結果となった。輸出(2月:前年比19.1%→3月:同14.7%)、輸入(2月:前年比34.1%→3月:同31.2%)ともに前月から伸びが低下したが、輸入の伸びが輸出の伸びを大きく上回ったため、貿易収支は前年に比べ▲10,280億円の悪化となった。なお、ロシア向けの輸出は前年比▲31.5%、輸入は同89.6%となった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲1.5%(2月:同2.7%)、輸出価格が前年比16.4%(2月:同15.9%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比0.0%(2月:同▲0.9%)、輸入価格が前年比31.2%(2月:同35.2%)であった。
輸出の内訳を数量、価格に分けてみると、輸出数量が前年比▲1.5%(2月:同2.7%)、輸出価格が前年比16.4%(2月:同15.9%)、輸入の内訳は、輸入数量が前年比0.0%(2月:同▲0.9%)、輸入価格が前年比31.2%(2月:同35.2%)であった。
季節調整済の貿易収支は▲8,998億円と12ヵ月連続の赤字となったが、2月の▲10,666億円からは赤字幅が縮小した。輸出が前月比1.7%の増加となる一方、原油高の影響で輸入が同▲0.5%の減少となった。
2.自動車輸出の低迷が続く

22年1-3月期の地域別輸出数量指数を季節調整値(当研究所による試算値)でみると、米国向けが前期比4.0%(10-12月期:同▲1.1%)、EU向けが前期比4.5%(10-12月期:同▲0.1%)、アジア向けが前期比0.1%(10-12月期:同▲2.7%)、うち中国向けが前期比2.3%(10-12月期:同▲5.5%)、全体では前期比0.9%(10-12月期:同▲0.6%)となった。
米国向け、EU向けは自動車の減少を一般機械、鉄鋼などの増加がカバーする形で、全体としては底堅い動きとなっているが、アジア向けは10-12月期の落ち込みを取り戻しておらず、弱めの動きとなっている。中国では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、上海で3月下旬から都市封鎖が実施されており、4月以降の輸出に悪影響が及ぶ可能性が高い。
3.1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.2%程度のマイナスに
3月までの貿易統計と2月までの国際収支統計の結果を踏まえて、22年1-3月期の実質GDPベースの財貨・サービスの輸出入を試算すると、輸出が前期比1%台後半の増加、輸入が前期比3%程度の増加となった。この結果、1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.2%(10-12月期:同0.2%)のマイナスとなることが予想される。
当研究所では、鉱工業生産、建築着工統計等の結果を受けて、4/28のweeklyエコノミストレターで22年1-3月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、外需が成長率を押し下げることに加え、まん延防止等重点措置に伴う民間消費の減少を主因として国内需要も減少することから、前期比年率▲1%台のマイナス成長を予想している。
当研究所では、鉱工業生産、建築着工統計等の結果を受けて、4/28のweeklyエコノミストレターで22年1-3月期の実質GDP成長率の予測を公表する予定である。現時点では、外需が成長率を押し下げることに加え、まん延防止等重点措置に伴う民間消費の減少を主因として国内需要も減少することから、前期比年率▲1%台のマイナス成長を予想している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年04月20日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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