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昔に比べて暑くなった、のか?-気温等の「平年値」10年に1度の改定を理科年表で確かめる。
保険研究部 主任研究員 年金総合リサーチセンター・気候変動リサーチセンター兼任 安井 義浩
こうした平年値は、過去30年の平均値とされており、10年毎に更新されている。前回(理科年表2021年度版)までは「1981年から2010年までの30年の平均値」が採用されていたが、今回の2022年版から「1991年から2020年までの平均値」に更新されている。
(なお、既に2021年5月19日から、気象庁においては新平年値の使用を開始しており、年1回12月発行の理科年表では、2022年版から新平年値が記載されたものである。その意味では少々古い話題ではあるが、なにせ10年毎の更新なので、ご容赦頂きたい。)
近年は「異常気象」という言葉が使われたり、自然災害が頻発したり、あるいは夏が異常に(昔に比べて)暑いことを実感したりすることが多い気がするが、実際どうなっているのか。ほんの一部ではあるが、変化を取り上げてみよう。
日最高気温が25.0℃以上の日を夏日、30.0℃以上の日を真夏日と言うが、さらに2007年4月からは35℃以上を「猛暑日」として分離したので、2022年度版からそういう表示になっている。いずれまた(平均値で見るなら10年後?)35℃以上の日の増え方もわかるだろう。
ちなみに寒いほうも見てみると、日最低気温が0℃未満である「冬日」が逆に5日程度減っているので、冬も全体としては、昔ほど寒くなくなったのかもしれない。
「本当に、昔に比べて暑くなったといいきれるのか」といった評価にあたっては、厳密には統計学的な手法による評価が必要なのだろうが、上記のように素朴に比較してみた段階でも、徐々に暑くなって来ているのではなかろうか、と感じさせる。理科年表の中でも、「環境部」において、地球温暖化についてページを割いており、平均気温の上昇は間違いないところと思われる。
ちなみに、今はまさに桜の開花日が気になるところだが、上に挙げた平年値(東京)としては、3月26日から3月24日に2日早まっている。実際の開花日については、2021年は3月14日、2022年は3月20日との発表があったところである。今後さらに早まっていくのだろうか。
(表4につき、当初、理科年表中の記載事項に対する、筆者の理解が間違っておりましたので、修正したものを記載し直しております。)
(2022年03月22日「研究員の眼」)
03-3512-1833
- 【職歴】
1987年 日本生命保険相互会社入社
・主計部、財務企画部、調査部、ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)(2007年‐2010年)を経て
2012年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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