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- 消費者物価(全国21年10月)-物価上昇の裾野が徐々に広がる
2021年11月19日
1. コアCPI上昇率は2ヵ月連続のプラス
コアCPIの内訳をみると、電気代(9月:前年比4.1%→10月:同7.7%)、ガス代(9月:前年比0.7%→10月:同3.4%)、ガソリン(9月:前年比16.5%→10月:同21.4%)、灯油(9月:前年比20.2%→10月:同25.9%)がいずれも前月から伸びを高めたため、エネルギー価格の上昇率が9月の前年比7.4%から同11.3%へと高まった。
食料(生鮮食品を除く)は9月の前年比0.6%から同0.7%へと伸びを高めた。原材料価格の高騰を受けて、油脂・調味料(9月:前年比1.0%→10月:同2.1%)、調理食品(9月:前年比0.8%→10月:同1.1%)、飲料(9月:前年比0.5%→10月:同2.3%)の伸びが高まった。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.83%(9月:0.55%)、食料(生鮮食品を除く)が0.16%(9月:0.14%)、携帯電話通信料が▲1.54%(9月:同▲1.28%)、Go Toトラベルが0.37%(9月:同0.27%)、その他が0.28%(9月:0.42%)であった(Go Toトラベルは当研究所による試算値)。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが0.83%(9月:0.55%)、食料(生鮮食品を除く)が0.16%(9月:0.14%)、携帯電話通信料が▲1.54%(9月:同▲1.28%)、Go Toトラベルが0.37%(9月:同0.27%)、その他が0.28%(9月:0.42%)であった(Go Toトラベルは当研究所による試算値)。
2.物価上昇の裾野が広がる
3. コアCPI上昇率は年末にかけてゼロ%台後半まで高まる見通し
エネルギー価格は前年比11.3%の高い伸びとなったが、原油高の影響が遅れて反映される電気代、ガス代の伸びがさらに加速することにより、21年末から22年初にかけて20%近くまで伸びが高まることが見込まれる。エネルギーによるコアCPI上昇率への寄与度は10月の0.83%から1%台前半まで高まる可能性が高い。
また、原材料価格上昇によるコスト増を転嫁する動きが広がることにより、食料(生鮮食品を除く)は一段と伸びを高める可能性が高い。さらに、12月までは前年の「Go Toトラベル」による宿泊料の大幅下落の反動による押し上げが続く。
コアCPIは年末にはゼロ%台後半まで伸びを高める可能性が高い。「Go Toトラベル」停止による押し上げ効果が剥落する22年1月以降はいったん伸びが低下するが、携帯電話通信料の大幅下落の影響が縮小する22年度入り後には、コアCPI上昇率は1%台前半まで加速することが予想される。
また、原材料価格上昇によるコスト増を転嫁する動きが広がることにより、食料(生鮮食品を除く)は一段と伸びを高める可能性が高い。さらに、12月までは前年の「Go Toトラベル」による宿泊料の大幅下落の反動による押し上げが続く。
コアCPIは年末にはゼロ%台後半まで伸びを高める可能性が高い。「Go Toトラベル」停止による押し上げ効果が剥落する22年1月以降はいったん伸びが低下するが、携帯電話通信料の大幅下落の影響が縮小する22年度入り後には、コアCPI上昇率は1%台前半まで加速することが予想される。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年11月19日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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