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- ロシアGDP(2021年4-6月期)-コロナ禍からの回復が継続
2021年09月13日
1.結果の概要:前年比では10.5%の大幅成長
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:コロナ禍の影響は引き続き減少、インフレや金利は今後の経済の重しに
今回の結果は、8月13日に公表されていた予備推計値(10.3%)から上方修正されている。ロシアでは20年4-6月期の成長率がコロナ禍の影響で▲7.8%と大きく落ち込んでいたため、21年4-6月期はベース効果により10.5%と高い成長率となった。コロナ禍の影響がなかった2年前と比較すると21年4-6月期は2年前比1.8%(1-3月期は同0.7%)だった。
産業別の伸び率を2年前比で見ると(図表3)、大分類では第一次産業・第二次産業・第三次産業のいずれもプラスとなっている。中でも第三次産業(金融・不動産)は2年前比7.6%と高成長でコロナ禍後の回復をけん引している。より細かい産業分類では、「自家利用2」が▲24.5%「事務サービス」が▲11.7%、「飲食・居住サービス」が▲9.4%とマイナス幅が大きい。また、「鉱業」も▲5.1%とマイナスが目立つ。
一方、季節調整系では4-6月期は前期比3.5%(1-3月期1.0%)と成長が加速、コロナ禍前との比較では3.1%(1-3月期▲0.3%)となり、コロナ禍前のGDP水準を上回った(図表4・5)。
産業別の伸び率を2年前比で見ると(図表3)、大分類では第一次産業・第二次産業・第三次産業のいずれもプラスとなっている。中でも第三次産業(金融・不動産)は2年前比7.6%と高成長でコロナ禍後の回復をけん引している。より細かい産業分類では、「自家利用2」が▲24.5%「事務サービス」が▲11.7%、「飲食・居住サービス」が▲9.4%とマイナス幅が大きい。また、「鉱業」も▲5.1%とマイナスが目立つ。
一方、季節調整系では4-6月期は前期比3.5%(1-3月期1.0%)と成長が加速、コロナ禍前との比較では3.1%(1-3月期▲0.3%)となり、コロナ禍前のGDP水準を上回った(図表4・5)。
足もとの状況を概観すると、原油需要に関しては、OPECプラスで協調減産縮小(つまり増産)を8月以降も22年12月まで継続することに合意しており、今後も段階的な生産増が見込めるため、鉱業生産については緩やかながら回復が継続しそうである。一方、国内のインフレ圧力は上昇が続いており8月のインフレ率は6.7%、食料品や財価格の上昇率は8%近い状況にある(図表6)。中銀はインフレ率が目標(4%)を大きく上回るため、政策金利を6.75%まで引き上げており、これはコロナ禍前の2019年9月の水準(7%)である。ロシアでは、新型コロナを抑制するための各種経済活動は再開されつつある一方で、高インフレによる実質所得の減少や投資の減速も懸念される状況と言えるだろう。
2 自家利用の財・サービス。便宜的に第三次産業(その他)に含めた。
2 自家利用の財・サービス。便宜的に第三次産業(その他)に含めた。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年09月13日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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