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- 雇用関連統計21年6月-緊急事態宣言の影響で厳しい状態が続く
2021年07月30日
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1.失業率は再び2%台に低下
就業者数は前年差22万人増(5月:同11万人増)と3ヵ月連続で増加した。ただし、緊急事態宣言の影響で20年4月以降に急速に落ち込んだ反動による部分が大きく、前々年と比較すると▲55万人の減少となっている(5月は同▲65万人減)。
産業別には、卸売・小売が前年差49万人増(5月:同9万人増)と大幅に増加したほか、新型コロナウイルス感染症の影響から大幅な減少が続いていた宿泊・飲食サービスは前年差13万人増(5月:同▲8万人減)と1年6ヵ月ぶりに増加した。ただし、前々年と比較すると▲25万人の減少となっている(5月:同▲46万人減)。
雇用者数(役員を除く)は前年に比べ47万人増(5月:同36万人増)と3ヵ月連続で増加したが、前々年差では▲27万人減と減少が続いている。雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員数は前年差31万人増(5月:同16万人増)と3ヵ月連続で増加したが、前々年差では▲73万人減(5月:同▲45万人減)となっている。一方、新型コロナウイルス感染拡大後も増加を続けてきた正規の職員・従業員数は前年差15万人増(5月:22万人増)となったが、20年度中に比べるとそのペースは鈍化している。新卒採用抑制の影響などもあり、21年度の正規雇用が低迷する可能性を示唆している。
産業別には、卸売・小売が前年差49万人増(5月:同9万人増)と大幅に増加したほか、新型コロナウイルス感染症の影響から大幅な減少が続いていた宿泊・飲食サービスは前年差13万人増(5月:同▲8万人減)と1年6ヵ月ぶりに増加した。ただし、前々年と比較すると▲25万人の減少となっている(5月:同▲46万人減)。
雇用者数(役員を除く)は前年に比べ47万人増(5月:同36万人増)と3ヵ月連続で増加したが、前々年差では▲27万人減と減少が続いている。雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員数は前年差31万人増(5月:同16万人増)と3ヵ月連続で増加したが、前々年差では▲73万人減(5月:同▲45万人減)となっている。一方、新型コロナウイルス感染拡大後も増加を続けてきた正規の職員・従業員数は前年差15万人増(5月:22万人増)となったが、20年度中に比べるとそのペースは鈍化している。新卒採用抑制の影響などもあり、21年度の正規雇用が低迷する可能性を示唆している。
2.宿泊、飲食、娯楽業の休業率が大幅に低下
3.有効求人倍率は3ヵ月ぶりに改善

有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.01ポイント低下の2.08倍となった。新規求人数は前月比4.9%の増加となったが、新規求職申込件数が前月比5.5%とそれを上回る伸びとなった。
6月は失業率、有効求人倍率ともに改善したが、21年初め頃に比べて労働力人口、就業者の水準は低く、依然として厳しい状態が続いている。7月以降も緊急事態宣言は継続しており、対象地域の拡大も見込まれていることから、雇用情勢が大きく改善することは期待できないだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年07月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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