- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 暮らし >
- 消費文化 >
- 「こち亀の両さん」は老人なのか-新しいシニアマーケティング・世代間マーケティングを考える
「こち亀の両さん」は老人なのか-新しいシニアマーケティング・世代間マーケティングを考える
基礎研REPORT(冊子版)5月号[vol.290]
生活研究部 研究員 廣瀨 涼
このレポートの関連カテゴリ
1―両津勘吉69歳
2―両津が過ごした青年期
次に両津の15歳~20歳の頃の時代背景についてもみてみよう。17歳の時には、池袋にパルコがオープン、19歳時には銀座にマクドナルド1号店がオープンしている。ジャクソン5やビージーズ、エルトンジョンがデビューしたのもこの頃であり、今日オールディーズと呼ばれる洋楽の名作たちが数多く誕生した。20歳~30歳の青年期についても見てみよう。音楽で言えばディスコブーム真っただ中であった。両津が26歳であった1978年には、ジョン・トラボルタ主演の映画 「サタデー・ナイト・フィーバー」が日本でも公開され大ヒットしたことで新宿、渋谷、六本木、池袋などの繁華街に多数のディスコが開業し、第二次ディスコブームが巻き起こった。彼が青春を過ごした1970年代以降は「多品種少量生産」と「個性的消費」の時代が徐々に訪れ、ブランドを始めとした消費による差別化や趣味(コンテンツ)に対する熱心な消費が活発になり、高度経済成長以前には見られなかった必要不可欠ではないモノを熱心に消費する消費者が散見されるようになっていたのだ。
3―両津銀次(両津の父)の青年期
4―シニア層のスマホ普及率は7割を超える
5―何が現代の高齢者にとっての「懐かしさ」なのか
懐かしい曲も石原裕次郎ではなくマイケルジャクソンかもしれない。このように高齢者とされる人々の「懐かしさ」が、常にアップデートされていることをマーケターは認識する必要がある。例えばバンダイは2018年7月に往年のロボットアニメ「鉄人28号」「マジンガーZ」「ゲッターロボ」とステッキ(杖)をコラボレーションさせた歩行補助具の販売を開始し、50代以上の男性をターゲットにしたシニア市場に参入している。シニアの若返りという言葉を耳にすることがよくあるが、平均寿命、健康寿命など身体的な側面に焦点が置かれて議論されることが多い。しかし、シニアマーケティングにおいては、高齢者が消費してきたコンテンツとの関係も考慮に入れる必要があると筆者は考える。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1776
- 【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
ニッセイ基礎研究所入社
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員
【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会
(2021年05月12日「基礎研マンスリー」)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月22日
貿易統計24年4月-自動車輸出は下げ止まるが、輸出全体は弱めの動き -
2024年05月21日
よく目にする“風”の用語-貿易に利用したから「貿易風」? -
2024年05月21日
今週のレポート・コラムまとめ【5/14-5/20発行分】 -
2024年05月20日
タイ経済:24年1-3月期の成長率は前年同期比1.5%増~輸出不振と政府支出の減少により低調な景気 -
2024年05月17日
マレーシア経済:24年1-3月期の成長率は前年同期比+4.2%~堅調な個人消費と輸出の回復により成長加速
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【「こち亀の両さん」は老人なのか-新しいシニアマーケティング・世代間マーケティングを考える】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「こち亀の両さん」は老人なのか-新しいシニアマーケティング・世代間マーケティングを考えるのレポート Topへ