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若者のオタク化に対する警鐘-若者の考える「オタ活」とオタクコミュニティの現実
基礎研REPORT(冊子版)12月号[vol.285]
生活研究部 研究員 廣瀨 涼
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1―はじめに
2―SNSのオタクコミュニティ
筆者は、SNSにおけるオタクのコミュニティの性質を十分に理解しないで若者が他のオタクと交流することに危機感を抱いている。オタクという言葉が気軽に使われるようになった結果、若者がオタクのコミュニティの実態を知らないまま気軽にコミュニティ参加してしまい、自身の抱いていたイメージとの間にギャップが生じてしまうという現象が起きているためである。筆者はこの要因として、「ファン資本」と「コンテンツ市場の性質とオタクの定義」が関係していると考えている。(図表1参照)
3―ファン資本
オタクの中にはお金を支出することが美徳であると考える層が存在する。彼らは消費による自己満足を追求しており、自身の経済的・時間的制約の中で購買欲求を常に充足しようとする。コンテンツ市場で消費されているモノの多くは、一般消費財市場とは対極的で、贅沢品市場に性質が似ている。珍しいグッズやイベントほど希少価値が高く、価値も高騰する。その結果、購入する際の倍率も上がるため、購入機会を死守するために、他のオタクを排除しようとするオタクも存在する。昨今よく耳にするようになった、自分の方が優位と思いたいが故に、自分の方が立場が上であるとアピールする「マウンティング」が良い例である。消費することがコンテンツ愛に繋がると考える層は、他のオタクに対して経済力でマウントをとる。その対象は若年層のオタクも含まれており、消費を煽ったり、消費する経済力がないことに劣等感を抱かせるような発言をする。
オタクを自称することがアイデンティティとなっている多くの若者は、このようなオタクが存在していることや、オタクを自称することのリスクを認識していない。その結果、コンテンツコミュニティに対して、自身が抱いていたイメージと差異が生じ、他のオタクとコミュニケーションをとることをやめてしまったり、最悪の場合はそのコンテンツから離れてしまうこともあるのである。
5―さいごに
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(2020年12月08日「基礎研REPORT(冊子版)」)
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